カテゴリー別アーカイブ: 新聞(共通)

・ 安全、安心な野菜は土作りから 値崩れに備え収入保険に加入

*「農薬を使えば手間も費用も少なくて済みますが、食べて健康になる野菜を作りたいので、有機肥料を用いて、土壌作りに気を付けています」と話すのは、「株式会社こころ屋」代表取締役の亀田毅さん。北島町でホウレンソウやオクラなどの露地栽培と、ハウスでミニトマトやサラダケールなどを栽培している。
* 勤めていた団体を退職し、実家の農業を継いだのは26歳のとき。以後、両親とともに農業を続けてきたが、2015年7月、県の農業支援センターの勧めもあり、株式会社こころ屋を立ち上げ、法人化に踏み切った。常時5人で作業しており、「農繁期にはハローワークで紹介してもらった方たちに手伝ってもらっています」と亀田さん。
* 今年は特に野菜の単価が安いので、このままでは作る人が少なくなってしまうのではと危惧する。「毎年のようにいわれる異常気象と、今年のような値崩れに備えるため、収入保険に加入しています。日頃の努力だけではどうにもならないところを補償してもらえるといいですね」と話してくれた。

*写真説明=「安全に、安心して食べてもらうためにも、虫が来にくいような土作りを心掛けています」と亀田さん

・直売所併設カフェ 地区の交流の場に

**阿南市椿地区で活動する女性グループ「椿を楽しく元気にし隊!椿ママどる」が、「キッチンマルシェ椿」(同市椿町庄田)を2019年12月にオープン。同地区内唯一の生鮮食品を販売する直売所と併設するカフェは、地元の交流の場としてにぎわっている。
* 代表の近藤清子さんは「地元の方が気軽に寄れる場所がほしいという要望があり、17年にJA事業所の一角で毎週木曜日にカフェを営業したのが始め。事業所の廃止に伴い、改装してキッチンマルシェ椿をオープンしました。隊のメンバー11人のほかに地区内の協力者を含め14人で運営しています」と話す。
* 近くに住む女性は「ほぼ毎日来ている。新鮮な野菜や地魚、日用品もあるのですごく助かる。ここで友達とわいわい話せるのが楽しい」と話す。
* 毎週木曜日の午前11時から午後2時までは食事ができ、地元の野菜や肉、鮮魚をふんだんに使ったおまかせ定食(650円)が人気だ。近藤さんは「今後も椿地区一帯の活性化につながるよう、民泊展開なども含めた充実化を目指し、PRしていきたい」と話す。

*写真説明=「皆さんに喜んでいただけてうれしい」と話す近藤さん(中央)とメンバー

 

 

 

 

 

・果樹農家がシロップ専門店 商品開発に元調理師の心意気

**店舗をプロモーションの場と捉え、自家製シロップやジャムのほか、ドライフルーツ、グラノーラもそろえる専門店「KAWAZOE FRUIT(鳴門市大津町大代)」。店主の川添雄大さんは「主力商品のシロップを食べてもらうための提案として、グラノーラや自家製も含めたドライフルーツを販売しています」と話す。農業は作物を栽培して出荷するだけではなく、加工や販売も含めたものと考え、栽培を担当する両親との連携を大切にしながら商品開発や経営に取り組んでいる。
* 同店は鳴門市の中で少し奥まったところにある。「県外から来る方は地図を調べて来てくれますが、地元の方のほうが迷うみたいですね」と雄大さん。実家はナシやウメを主とした果樹農家で、雄大さんで4代目になる。
* ゆくゆくは家を継ごうと考えていたが、調理師を目指し、大阪の調理師専門学校を卒業。その後、徳島県内のレストランで調理師として勤めていたが、自分で起業したいという思いから、24歳で専門店を立ち上げ、瓶詰め加工品業を始めた。
* 最初に取り組んだのはナシのジャム。当時、メーカーではなく個人でナシをジャムにして販売するところはほぼなく、試食を勧めても「ナシをジャムにするなんて」と手にしてもらえなかったという。
* その悔しさをバネに、味もパッケージも見直していった。「創業当時は、100パーセント自家製。それに、調理師をしていた経験からか、全部自分で作っていたので大変でした」と振り返る。
* 果樹園の栽培管理は主に父の誠司さんが担当しているが、旬の作物を加工するため、特にウメの収穫は雄大さんが主体となって行う。半月ほど前から収穫のタイミングを計り、家族やスタッフはもとより、知人にも声をかけて一斉に取り掛かる。
* 店を立ち上げたときには両親と“衝突”することもあったが、「家族で作っていること、両親が栽培したものをもとに作っているからこそ生まれる付加価値もあると思うので、家族間の連携を大事にしています」という。
* 無添加ゆえの日持ちの短さ、旬を逃がさず商品をそろえることに苦心しつつ、調理師としての経験から、「こういうものがあったらいいな」というものを開発している。「商品開発のようなもの作りも経営も、どちらもやりがいがあります。地道に取り組みながら、攻めていきたい。また、10年後をめどに、ナシの面積を減らし、レモンやライムを植え、果汁を商品にできるよう取り組んでいきたい」と意欲を示す。
** ▽店舗の営業は午前11時~午後5時。定休日は水・木曜日。

写真説明1=「うちは昔からナシの直売をしていたので、できたものを買いに来てもらうという土壌はあったと思います」と雄大さん

写真説明2=梨糖蜜を用いた梨糖ナッツ㊧と梨糖ナッツチョコ

写真説明3=4年前に開発したオリジナルの梨糖蜜〈りとうみつ〉。「せきが止まらないときに少しなめてもらっても」

 

 

・最優秀賞のイチゴ 土耕で甘味を追求 

*オーガニック・エコフェスタ2017でイチゴ部門最優秀賞を得るなど、栄養価の高いイチゴを生産する徳島市多家良町の木下いちご農園・木下芳臣さん。農薬の使用を抑え、微小害虫に対して天敵となる虫に好適な環境を提供する「バンカーシート」を用いるなど、蜂に影響を与えない農薬使用を減らした栽培に取り組む。
* 「蜂が活発に動き回り元気にしていたら、イチゴも順調に生育します。天敵や蜂など、動くもの、協力してくれるものを使って栽培しています」
* イチゴは、高設と土耕の両方で栽培し、特に土耕では甘味を追求している。「以前『高設のイチゴは何個でも食べられるが、土耕なら1個で満足できる』と言われたことがあります」と木下さん。食べ比べると、口に入れたときから甘さが違う。
* 同園ではイチゴのほか、水稲、スダチを経営。今後は地域環境の保全にも取り組みながら、「自分はつなぎ役だと思っています。次世代に、農業を仕事として選んでくれる人が増えるように、伝えられるものは伝えていきたい」と話してくれた。

*写真説明=「県のエコファーマー認定を令和2年も更新しました」と木下さん

 

・おから入り肉コロッケ

和気あいあいと長く続けたい
徳島県那賀町「キッチンあじさい」代表・川原和江さん
*那賀町相生地区の女性10人で2016年10月に結成された「キッチンあじさい」。代表の川原和江さんは「毎週金、土、日曜日に、メンバーの家でとれた米や季節の野菜などを持ち寄って、おから入り肉コロッケやかきまぜ寿司、赤飯などを作って『農産物直売所あいおい』(代表は川原さん)で販売しています」と話す。
* 「おから入り肉コロッケが好評で、もちろんおからも地元産。お客さんそれぞれ好みの味付けがあるので試行錯誤しながらメニューを考えています」と川原さん。「これからもみんなで和気あいあいと長く続けていけたら」と話してくれた。
◆材料(約60個分)
ジャガイモ……1㌔
おから……700㌘
合いびき肉……300㌘
タマネギ……1㌔
ニンジン……500㌘
塩・こしょう……適宜
しょうゆ……175㏄
砂糖……150㌘
みりん……75㏄
酒……50㏄
〈衣用〉
薄力粉・パン粉……適量
卵……適量
油……適量
◆作り方
〈1〉フライパンで合いびき肉とみじん切りにしたタマネギ、ニンジンを炒め、さらに調味料を加えて炒める。
〈2〉おからは軽く炒めて水分を飛ばす。
〈3〉ゆでたジャガイモをつぶしたものに〈1〉と〈2〉を混ぜ合わせる。
〈4〉好みの大きさに形を整え、薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣を付けて油で揚げれば完成。

写真説明 左=「キッチンあじさい」のメンバー。右端が川原さん
写真説明 右=おから入り肉コロッケ

 

 

 

 

 

 

 

 

・生乳の安定供給目指す

力を合わせて令和にチャレンジ
「令和」初のお正月! 結婚して数年の初々しい専業農家の若夫婦にとって、初めて迎える時代の節目です。新時代の夢や抱負、農業にかける思いを紹介します。

*美馬市脇町で酪農を営む西條知也さん・美沙さん夫妻は2016年に結婚。搾乳牛を増やし、規模拡大を進めていくのがこれからの目標だ。
* 知也さんは会社勤めをしていたが、家業を継ぎ酪農家に転身した。「しっかりと世話をすることで、不調な牛が元気になったり分娩が無事に済んだりしたときなどにやりがいを感じます」
* 美沙さんは香川県で酪農に携わる仕事に就き、その後は徳島県の牧場に就職した。「仕事を続けるうちに酪農がどんどん好きになり、結婚するなら酪農家と決めていました」。現在は子育てをしながら、父母と共に約100頭の乳牛を飼育している。
* これまでは自家生産牛だけで経営していたが、19年から新たに導入も行うようになった。乳量の多い牛を入れていくことで、これまで以上に安定した生乳の供給ができるように、先を見据えた経営形態の改良にも力を入れている。
* さらに、新たな設備を設け、掃除などの機械を取り入れた。作業効率が上がったため、時間を有効に使い、牛が健康で安全に暮らせるための対策や改善も進めている。
* 知也さんは「2歳になる息子がいますが、まったく怖がることなく牛と接し、遊びながらも仕事をまねてくれています。将来、親子で一緒に酪農ができたらうれしいですね」と笑顔で話してくれた。

写真説明=西條さん夫妻。「休みのときには家族でドライブに出かけたりして気分転換をしています」と知也さん

 

 

 

 

 

・キクイモで地域も元気に

*栽培・加工・販売を先導する徳島県美馬市の研究会
*加工品に全国から注文/耕作放棄地対策にも一役

*キクイモを栽培する美馬市脇町の三笠桂司さんは、キクイモの周知と販路拡大のため、栽培農家を集め「徳島県美馬つるぎ地区キクイモ栽培加工消費研究会」を立ち上げた。会員が栽培したキクイモは、生食用のほか、チップスやパウダーに加工され、地元の産直市やイベントで販売している。珍しい健康食品ということもあり、全国各地からの個人注文も多いという。
* ◆雑草や病害虫に強い
* 三笠さんがキクイモ栽培を始めたのは2011年。妻・英子さんの「キクのような花を咲かせる芋がある」という言葉に興味を持ったことからだった。翌年には研究会を立ち上げ、現在は会長を務める。
* キクイモは雑草や病害虫に強く、農薬散布や施肥などを行わないため、植えた後は手がかからない。そのため、高齢化の進む中山間地の耕作放棄地対策としても一役買っている。収穫期は11月末~3月ごろの農閑期で、収量は1株当たり1~2㌔になるという。
* 三笠さんは「会員の圃場で連作障害の白絹病が発生しました。目下の課題は連作障害対策ですね。また、50㌢間隔に植えられたキクイモは圃場に広々と根をはわせるため、収穫作業は一番の大仕事です」と話す。
* ◆使いやすいパウダー
* キクイモには食後の血糖値の上昇を抑える効果や、脂肪蓄積抑制効果のあるイヌリンが豊富に含まれ、食物繊維が豊富なため便秘改善の効果もあるという。
* 血糖値が高かったという三笠さんは、健康のためにスムージーにして毎朝飲んでいる。また、自らの経験をもとに「パウダーはサラダやきんぴら、みそ汁に混ぜたりすれば、毎日の食事に取り入れやすいですよ」と薦める。
* キクイモを加工するうえで一番大切にしているのは安全性だ。きれいに洗ったようでも、乾いてから確認するとコブの部分などに小さな汚れが残っていることに気づく。そのような小さな汚れも残さないために、洗浄や乾燥の仕方を工夫するという。
* 最近では地域の学校給食にも提供しているため、研究会では生で出荷するキクイモの品質を25㌘以上・コブ二つ以下と定めて高い品質を保っている。
* 今後の展開については、「うちのキクイモが世界農業遺産の『にし阿波の傾斜地農耕システム』ブランドとして認証されたので、認証品のロゴマークを商品のパッケージに付けています。それにより手に取ってもらえる機会がさらに増えるのではないかと期待しています。最近は、全国の個人客への対応をスムーズに進めるためにパソコンの勉強なども始めました」と話してくれた。
* ▽集団営農で水稲約300㌃、キクイモ50~60㌃(年間収量約20㌧)

写真説明=チップスとパウダーの商品を手に「根を広げたキクイモの収穫作業は一番の大仕事です」と三笠さん

 

 

 

 

 

 

 

・新天地でチンゲンサイ栽培

*今年7月に大阪から阿南市吉井町に移住した白石光さんと昌美さん夫妻。現在はハウス10㌃でチンゲンサイ「武帝」をメインに栽培している。
* 「これまで農業にまったく関係のない職種だったので、体力的に作業が大変でない規模で、二人で農業できるところを3年前から探していました」という光さん。「移住後の具体的なプランを『加茂谷元気なまちづくり会』の方がしっかり立ててくれたので、できるだけ早く、自分たちが若いうちにと移住を決断しました」と話す。
* 予算や設備投資の面でハウス栽培にはあまり興味がなかったが、サンチュ栽培をやめたばかりの空きハウスを借りられると聞き前向きになった。光さんは「すごくいいタイミングだったなと思う」と話す。
* 灌水設備は、以前このハウスで使われていたものを使っている。「資材を買うにもまだ収入が得られない状況なので、ホースなど使えるものは使いたい」と光さん。昌美さんは「JAチンゲンサイ部会の農家さんや営農指導の方に教えていただきながら、自分たちにあったやり方でちゃんとしたものを作って、お世話になった方に恩返しをしていきたい」と話してくれた。

*写真説明=「200穴のトレーで育苗して定植。これからの低温期での収穫日数は約1カ月半で年8回の収穫を目指したい」と光さん

 

・仲間とソフトバレー

*「いけるいける」「まだとれるよ」とにぎやかにソフトバレーに取り組むメンバーの一人、徳島市八多町の河野仁美さん。
* 河野さんは夫婦でミカン(10㌃)とスダチ(20㌃)を栽培する傍ら、JA徳島市南部しいたけパックセンターに設立当初から勤め続けて16年になる。
* シイタケの出荷量が増えるこの時期、ますます忙しく、休日出勤することもある。シイタケを傷つけないように、規格に沿って手早く美しく入れるには気配りが必要だ。
* 「立ちっぱなし、座りっぱなしの同じ手作業、みんなとバレーをしてリフレッシュしています」と河野さん。ソフトバレーをするのも見るのも好きだという。10年ほど前、気分転換にと声がけをしたところ、10人ほど集まったのがメンバーで始めるきっかけ。「人数さえそろえば毎日でも大丈夫ですよ」と笑顔で話す。
* 同センターの昼休み、一人また一人と有志が輪に加わりバレーを楽しんでいた。

*写真説明=「メンバーが集まると、とてもにぎやかです」と河野さん

 

 

 

 

 

 

 

・「来年も」の声を励みに米作り

*堀田康二さんはNOSAI部長・損害評価員を務めるかたわら、地元の住民グループ副会長も務め、小松島市新開小学校の1年生と5年生を対象に、田植えや稲刈りの体験会を開いている。
*「子どもたちには、米作りの体験を通じて農業に関心や親しみを持ってほしいし、大人になっても体験したことを覚えておいてほしいですね」
*堀田さんは約240㌃の水田を借りて耕作しており、「来年もまた米を作ってほしいという声が励みになります。健康に気を付けて、これからも米や菜の花の栽培に取り組みたい」と意気込んでいる。
*▽徳島県農業共済組合南部支所▽NOSAI部長・損害評価員歴17年▽担当戸数14戸▽水稲320㌃、菜の花10㌃