カテゴリー別アーカイブ: 新聞(共通)

収穫体験も盛況 朝取り「甘々娘」 吉野川市「ひまわり農産市」

_吉野川市鴨島町にある直売所「ひまわり農産市」では、収穫時期に合わせ、毎年6月上旬の日曜日に2週続けて「スイートコーン祭り」を開催し、「甘々娘〈かんかんむすめ〉」の店頭販売や収穫体験を行っている。甘々娘は糖度が約17度あり、果物と同じくらい甘いことからスイートコーンと呼ばれ、生でも食べられるのが特徴だ。
_「祭りに備え、32戸の栽培農家が朝に収穫したものを、開始ギリギリまで箱詰めしています。それでも一度に10箱以上売れるときもあり、先週は昼までに完売してしまったので、今週は4万本用意したんですよ」と店長の川原真澄さん。
_収穫体験には開始時刻に合わせて小学生たちが圃場に集まる。収穫した甘々娘を5本まで持ち帰ることができるとあって盛況だ。参加した本庄未宙〈みそら〉さんは「ちぎるのは大変だったけど、大きなトウモロコシが取れたのでうれしかった」と笑顔で話す。
_川原さんは「旬のうちに味わっていただきたい。朝取りのものをゆでて食べるとすごく甘いですよ」と話している。

写真説明1=販売コーナーで接客する川原さん(左)
写真説明2=「大きくておいしそうなものを選びました」と未宙さん

 

 

 

 

 

〈農家キッチン〉牛乳豆腐 まろやか、独特の風味、サラダや水炊きに

_「牛によって乳質が違うので、出来上がりも変わってくるんですよ」と話すのは、三好市で酪農を営む藤丸清美さん。出産直後の母牛から取れる初乳を使用し、「牛乳豆腐」を作っている。
_牛乳豆腐はフレッシュチーズの一種で、生乳を加熱し、酢を加えて作る手軽な料理。初乳は出荷には適さないため、子牛に飲ませる以外の分は廃棄されるが、酪農家の間では自家製牛乳豆腐として利用され、市販の牛乳では出せないまろやかさや独特の風味があるという。
「そのままクラッカーにのせて食べたり、サラダと混ぜたり、水炊きに入れたりすることもありますね」と藤丸さん。「孫にも好評なので作るのに精が出ます」と笑顔を見せる。
_また、牛乳豆腐を作る過程で出る搾り汁は「乳清(ホエー)」と呼ばれ、非常に栄養価が高い。藤丸さんは「夏場は仕事の合間に砂糖を加えたものを飲むことで疲労回復に役立てているんですよ」と話す。
◆材料
牛乳……500㍉㍑(初乳を入手できない場合は無調整牛乳や低温殺菌のものでも可能)
酢……大さじ2杯(レモン汁などを使用しても風味の変化を楽しめます)
◆作り方
〈1〉鍋に牛乳を入れ、中火で加熱する。焦げ付かないようにかき混ぜる。
〈2〉泡が出始めて沸騰する前に火を止め、酢を加えてしばらく放置する。
〈3〉固まったらザルに布巾などを敷き、水気を取る。
※柔らかい牛乳豆腐を作る場合はガーゼなどで包み、自然に水が抜けるようにする。

_写真説明1=牛乳豆腐_写真説明2=牛乳豆腐を手に藤丸さん

 

 

 

 

 

 

ケイトウ栽培に挑戦

_盆や彼岸に仏前に供える切り花として需要が高いケイトウの生産地・那賀町相生地区では、高齢化に伴い栽培農家が減少している。JAアグリあなんけいとう部会(50人)が、ケイトウ栽培の担い手の確保と育成に向け新規営農希望者を募集したところ、今年新たに5人が挑戦。日本一のケイトウ生産地としての返り咲きを目指している。
_同町谷内の飯島好さんは、横浜市出身で徳島県に来て6年。町内で農家の手伝いをしていた飯島さんは、ケイトウ栽培新規営農希望者の募集チラシを見て応募、6㌃の圃場を借りて栽培を始めた。「部会が生産指導をしてくれて、所有する機械を借りてできるので助かる」と話す。
_2018年は台風の影響でケイトウの生産量が減少した。「ケイトウは単価が高いが安定していない。需要はあるが生産量が追い付かない状況だ」と飯島さんは話す。6月に定植し、8月1日から9月まで収穫する。
飯島さんは「2万本出荷が目標。一人でできる限りやってみたい。いずれ独立できるようになれたら」と意気込む。

写真説明=「ナバナの栽培にも挑戦したい」と飯島さん

 

 

 

 

 

ブームが後押し 猫ちぐら

_日本の美しい原風景でもある棚田や茶畑が連なる徳島県三好市山城町。標高200㍍ほどに位置する同町上名で、稲わらを有効利用して「猫ちぐら」作りに取り組んでいるのが、本見忠義さん。猫ちぐらは、稲わらをドーム型に編み上げて作られた猫の寝床のことで、近年は猫ブームも相まって、需要や人気が高まってきている。「猫ちぐらが山城町を知ってもらうきっかけの一つになってくれたら」と本見さんは穏やかに話す。
◎一つの製作に10日間
_もともと手先が器用で、木彫りや竹細工などを趣味にしていた本見さん。県外の新聞で猫ちぐらの記事を偶然見た妻から、「作ってみたら面白そう」と紹介されたことがきっかけで、製作を始めたという。
草履、しめ縄などを作った経験はあっても、猫ちぐらは作ったことがなかったので、さっそく現物を県外から取り寄せた。編み棒を自作し、網目を観察しながら独学で編み、試行錯誤しながら納得がいく形に作り上げた。気づけば、作り始めて20年を迎えているという。
_自家の水稲10㌃から取れる稲わらだけで編み上げ、一つ製作するのにわらを10束ほど使用し、約10日間で完成する。
_「水稲は消毒をほぼ行わないように栽培している。病気対策には気を使うが、人にも猫にも優しいものができるので、苦労に感じることはない」と本見さん。「一つ買ってくれて、『猫が気に入って取り合いをするから』とまた注文してくれた方もいる。実際に使っている写真や、飼い主さんの喜びのお便りが届くのはやはりうれしい」と話す。
◎仲間が増えてほしい
_本見さんが作る猫ちぐらは、高さ約33㌢で、直径が3サイズ(大=約40㌢:2万4千円、中=約35㌢:2万円、小=約30㌢:1万8千円)。近隣の観光・宿泊施設などに見本を置いて販売を代行してもらい、そこで目にした県内外の人から問い合わせや注文が入る。現在は、娘にも作り方を教えながら一緒に製作し、いずれはネット販売にも挑戦してみたいという。
_「手先を動かすので、認知症予防にもなるし、高齢者でも自宅でできるところがいい。元気なうちはずっと作り続けていきたいし、猫ちぐらが山城町を知ってもらうきっかけの一つになってくれたらと思う。周りや他の地区でも猫ちぐらを作る仲間が増えて、交流につながったらいいなぁ」と笑顔で話してくれた。

写真説明=「自家栽培した稲わらだけで編み上げ、人にも猫にも優しいものをと作っています」と本見さん

 

 

 

 

 

 

 

 

スダチ 今年は最高の出来

徳島市 宮原 憲一さん
_「今年は例年に比べて数が少ないですが、香りも良くて果汁も多いし、最高の出来」と話すのは、徳島市の宮原憲一さん。現在、ハウス3棟(20㌃)でスダチを栽培している。
_早朝5時から妻の静子さんと娘の真由美さんの3人で3時間ほど収穫し、取れたてのスダチを選別して市場へ出荷する。「サイズは2L(直径36~39㍉)を基準に収穫しています。目だけでは大きさの判断がしづらいので自作の目盛りが役立っています」と宮原さん。
_ハウスでの収穫は5月から7月までの3カ月間で、安定した出荷とリスクの分散、忙しい時期が集中しないようにするため、おおむね1棟ごとに1カ月と収穫時期をずらす。
_宮原さんは「うちのスダチは皮の薄さが一番のポイント。温度調節や灌水には特に気を付けています。成功や失敗を繰り返し、何十年も経験してきた感覚が今の工夫につながっていると思います。どんな工夫かは秘密だけどね」と笑顔で話す。

写真説明1=「ハウス内はかなりの高温になるので、体調管理にも十分に気を付けています」と宮原さん
写真説明2=宮原さん自作の目盛り

酪農ヘルパーが専門店 チーズの魅力発信

鳴門市 清水 亜希子さん
_酪農ヘルパーを務めながら、チーズ専門店を営む鳴門市撫養町の清水亜希子さん。チーズに関わる仕事に就きたいと思い、チーズ作りの修業に北海道で4年間学んだという。
 _原料を厳選し、徳島市の酪農家の牛乳でチーズを作る。「牛が食べる餌で生乳の色や味・風味が変わる。同じ作り方をしても、出来上がったチーズの品質は微妙に変わるので、微調整が日々欠かせません」と清水さん。
_2018年5月、地元の鳴門市に専門店「チーズの灯〈あかり〉」をオープンした(土曜日午前10時開店、売り切れ次第終了)。店名は、チーズに関わる人と思い(灯)をつないでいきたいと考え名づけたという。1番人気の商品は、2週間熟成させた「しらさぎ」。クセが少なく、酒のつまみにも良いと好評だ。
 _間もなくオープン1周年で、今年はとくしまマルシェの出店が決定している。「チーズの魅力をどんどん発信していきたいですね」と話す。

写真説明1=「しらさぎは橋の名前にちなんで名づけました」と清水さん
写真説明2=清水さんが作るチーズ

〈輝く女性たち〉デコポン無加温栽培15年

中村 育美さん
★水稲約70㌃、デコポン(園芸施設)14.4㌃★徳島県阿南市)
「デコポン」の無加温栽培を始めて15年という中村育美さん。今後は、パプリカ栽培やICT(情報通信技術)を学び活用したいと意欲的だ。
◆    ◆
ーーデコポンを栽培するきっかけは?
_夫の父母がハウスイチゴを栽培していたのですが、高齢のためやめて、その園芸施設の高さなどを補修し、デコポンを無加温で栽培することにしました。デコポンの栽培を決めたのは主人です。
_私はそれまで農業の経験がなかったので、初めのころは体力に自信がなくて大変でしたが、だんだん力がついてきましたね。夫はサラリーマンなので、日曜日や仕事が休みの時は消毒や収穫を手伝ってくれますが、剪定や摘果、施肥などの普段の作業は私が行っています。収穫したものはすべてJAアグリあなんに出荷しています。
ーー栽培管理で注意していることは?
 _害虫です。特にダニ対策に気を付けています。目に見えるダニ、見えないダニがあるので対応が難しいです。施設に入ると、においでダニがいるかどうか分かる人がいるそうですよ。
_ダニが葉に付着すると生育が悪くなるので、葉の裏からも丁寧に消毒をする必要があります。あとは枝が実の重みに耐えられるように枝つりをする作業が大変です。
ーーやりがいを感じるときは?
 _自分が食べておいしいと思う瞬間。買ってくださった方が「おいしかった」とおっしゃってくださったときが一番うれしいですね。
ーーこれからやってみたいことは?
 _デコポンを栽培しながらパプリカの栽培にも挑戦したいと考えています。また、徳島県シルバー大学校でICT講座を受講します。ICTについて勉強して、これからの農業や生活に役立てたいです。

写真説明=2月の収穫までの間、約150本の木の剪定や摘果、施肥などを行う中村さん

 

 

 

 

 

 

 

〈特集〉お母さんありがとう

徳島県三好市  岡田 莉加さん
_「お兄ちゃんは近頃、ハクサイを包丁で切って牛に餌やりをしてくれるんですよ」と話す岡田莉加さん。泰輔くん、隆和くん、凌空くんのお母さんだ。「上2人は、よくけんかもしていますが、庭で穴を掘ってみたり、3人でもよく遊んでいます」
_授精から一貫して肉牛を肥育する農家に嫁いで13年目を迎える。夫の能明さんとの結婚を機に畜産業に携わることとなった。
「もともと動物好きで、特に構えるところはありませんでした。ただ、両側に牛がずらっと並んでいるのを初めて見たときは怖かったですね」と笑顔で話す莉加さん。2カ所ある牛舎での水やりや子育てに忙しい毎日を過ごす。
「お客さまが来るといつもこんな感じです」と莉加さん。能明さんと莉加さんの周りを子どもたちがぴたっと取り囲む。「息子たちはみんなはずかしがりですが、丈夫に育ってくれました。これからも元気に過ごしてほしいですね」
▽肉牛一貫経営=肉牛120頭▽家族=祖父母、両親、能明さん・莉加さん、子ども3人の9人
●子どもたちからお母さんへ
「サッカーやキャッチボールをして遊んでくれてありがとう」
●莉加さんから子どもたちへ「兄弟げんかせず、強くなってほしい」

移住4年目 チンゲンサイ+スダチ 地域に貢献したい

徳島県阿南市  國中 孝文さん・亜姫さん
スムーズな住居の仲介
先輩農家が栽培指導
__「加茂谷体験ツアー」への参加を契機に、阿南市吉井町に移住した國中孝文さん。「加茂谷元気なまちづくり会の方にはとてもお世話になったので、移住を考えている方が農業体験に来て話す機会があれば、移住後の良いこと、悪いことを含めて率直に話をし、移住者が増え、地域が活性化するよう少しでも貢献したい」と話す。妻の亜姫さんと農業に取り組み始めて4年目。現在、チンゲンサイを15㌃、スダチを16㌃のハウスで無加温栽培し、農業に力を注ぐ毎日を過ごしている。

__國中さん夫妻は、全国に転勤がある神戸市の会社に勤務していたが、二人とも国内出張が度々あり、1週間顔を合わせないこともあったという。子育て環境に関する不安、孝文さんの三重県鈴鹿市への転勤が職種を見直す契機となった。
__孝文さんの実家は和歌山県で温州ミカンを栽培しており、夫婦一緒に仕事ができる農業に魅力を感じていた。2014年、東京で開かれた「新農業人フェア」に夫婦で参加し、仕事や移住など生活面を加茂谷元気なまちづくり会と相談する機会を得た。その翌春、2泊3日の加茂谷体験ツアーに参加し、現地で地域住民と触れ合い、農業体験を行う中で移住を決意した。
移住した理由を孝文さんは「先輩農家から作物の栽培について十分な指導を受けられること、地域住民の温かい人柄、歓迎されていることですね。何か困ったことがあったら快く手助けしてくれると思いました。移住後の農業用地や住居の貸し借りも、まちづくり会の方が仲介してくれ、スムーズに進みました」と話す。
初期費用抑え挽回可能
__15年秋に亜姫さんが先に、翌年3月に孝文さんが移住。新規就農を支援する農林水産省の青年就農給付金(当時)を受け、先輩農家の下で実地研修をしながら農業に取り組み始めた。
__亜姫さんは「チンゲンサイを栽培することに決めたのは、年間8~9回収穫可能で、1回収穫が思うようにできなくても挽回可能なこと、初期投資の費用があまりかからないことでした」と話す。夏場は暑さで生育が悪くなるので休作し、その間にスダチを今夏初めて収穫する予定だ。
__孝文さんは「取り遅れがないよう気を付けたり、同時に次作の準備を進めたりと、段取りには気を使います。目標は、チンゲンサイをあと5㌃ほど規模拡大して売り上げを伸ばすことですね」と意気込んでいる。

写真説明=國中さん夫妻と柚李ちゃん。「夫婦で試行錯誤して、娘とともに楽しいと思える瞬間を感じています」と孝文さん。

 

 

 

 

養蚕文化を児童が見学

NOSAI徳島西部支所「阿波北方農業乃館」
社会科学習の一環として、昔の農具や生活について学んでいる美馬市立江原北小学校の3年生児童が、NOSAI徳島西部支所(美馬市脇町)の事務所に併設した「阿波北方農業乃館」をこのほど見学した。
阿波北方農業乃館は、養蚕文化伝承の資料を展示する資料館で、蚕糸業の工程を和紙人形で作成し、蚕糸業史年表や蚕糸業の道具、昔の農具を展示している。
当日は、安宅則久支所長がビデオを使ってNOSAI制度について説明した後、徳島県西部で盛んに飼養されていた蚕繭の歴史について展示資料を見ながら解説。道具の呼び方や使い方のほか、蚕が繭を作り、繭から生糸を紡ぎ、生糸で織られたものが絹織物になることなどを説明した。
児童らは説明を聞きながらメモをとったり、蚕糸業の道具をスケッチしたりと真剣な様子。「初めて繭や生糸を見たのでビックリした」という児童もいた。
安宅支所長は「昔の農具から先人が培った知恵を学び農耕文化について理解を深めてほしい」と話す。
写真説明=児童たちに昔の農具について説明する安宅支所長