カテゴリー別アーカイブ: 新聞(共通)

農家民宿「山宿・花瀬庵」 地域の活力アップに貢献も

〈人生楽しく〉
農家民宿「山宿・花瀬庵」
地域の活力アップに貢献も

徳島県那賀町  吉岡 誠さん
プロフィル◆水稲30㌃◆那賀町花瀬
――農家民宿を始めるきっかけは?
吉岡家14代目として花瀬地区で生まれ育ちましたが、地元を離れて暮らすうちに、集落の軒数が半分まで減少した故郷への思いは日増しに強くなり、江戸時代から変わらない自然豊かな花瀬地区を多くの方に知ってもらえればとの思いで始めました。築100年以上の自宅古民家や蔵を改修する際は、梁などを残し、古いものでも価値ある家具や家の良さを生かしたいと地元の大工さんに協力してもらいました。
――農家民宿「山宿・花瀬庵」の魅力は?
1924(大正13)年に建てられた土蔵を改装し、1階がBARでお酒や食事を楽しめ、2階が宿泊部屋です。ディナーはアメゴの姿焼きやユズ味噌、私が栽培する花瀬米「あわみのり」など、地元でとれた郷土料理でおもてなしします。予約いただければ食事だけでも可能です。
敷地内でバーベキューもできますし、歴史ある家屋や家具、那賀川にかかる吊り橋から眺める満点の星空やホタルが飛び交う幻想的な世界に感動していただけると思います。都会の喧騒とは無縁の非日常を体験してもらえたら。
――今後の展望は?
ドッグランやアメゴの釣り堀、キャンプ施設の設置などいろいろ考えています。7月は孟宗竹を切って流しそうめんをしたり、大吟醸を飲みながら三味線やピアノ演奏など音楽ライブを楽しむイベントやカヌー教室を開催したりします。月に1回イベントを開催して、多くの方に集まっていただいて交流を活発にし、地域の活力アップに貢献できればと思います。
※花瀬庵は1日14人宿泊可能、素泊まり3800円、2食付き1泊7800円(完全予約制)、食事だけでも可(要予約)。問い合わせは吉岡さん(電話090・3185・6640)まで。

写真説明=「歴史ある家屋と自然豊かな花瀬にお越しいただいて非日常を楽しんでもらえたら」と吉岡さんと妻の弘子さん

 

 

 

 

 

 

 

お世話になります

仕事も趣味も充実しています
徳島市 竹半静代さん

徳島市国府町でNOSAI部長・水稲損害評価員を務める竹半静代さん。大変な時も、持ち前の明るさとやる気で頑張ってこられた。2年前から新たにエダマメ栽培に挑戦し、「立派に実らせることができた」と話す。
最近は、パソコンでの文書や動画の作成、中国語、ウオーキングなどにも取り組んでいる。パソコンを使って農業日誌を書いたり、友人たちと日帰り旅行をしたりと、「仕事も趣味も充実している」という竹半さん。
「年だからできないと決めてしまわないで、なんでもやってみないと。ずっと元気で仕事も勉強も続けていきたい」と笑顔で話してくれた。
▽徳島県農業共済組合東部支所▽NOSAI部長歴7年▽担当戸数15戸▽エダマメ2㌃、ブロッコリー6㌃

 

 

 

 

 

 

安全・安心のブルーベリーを生かして 6次産業を確立

全・安心のブルーベリーを生かして6次産業を確立
徳島県美馬市 藤尾農園
人気の手作りパン/多彩な商品開発も

 美馬市脇町西大谷にある藤尾農園の藤尾良信さん、絹代さん夫妻は、農薬を使わずブルーベリー栽培に取り組む一方、パン工房を営み、生産から加工、販売まで6次産業を確立している。無添加に徹し、自信を持って勧めることができるまで追求した手作りパンは20種類。材料はブルーベリーを中心に、四季折々の味が楽しめる。

- 藤尾農園は標高400㍍に位置し、傾斜地農業に取り組んできたが、絹代さんのパン作りをきっかけに6次産業化へかじを切り、収益性を高めていった。
- 良信さんは51歳で早期退職してから本格的に農業に従事し、18年目を迎える。就農当時、畑を整地し、ハウス3棟9㌃を設置。夏秋はミニトマト、冬場はタラの芽のふかし栽培(ハウスでの促成栽培)のほか、ユズ20㌃、「愛宕柿」10㌃を作付けた。
- 絹代さんは、パン作り教室への参加を契機に自宅でパンを作り始めた。地元の道の駅の支配人に「このパンおいしいな、売ってみんで」と勧められたこともあり、販売を開始した。
- さらに、同市はオランダと縁が深く、国際交流員のレムコ・ライコフさんに出会い、オランダ風のパンを教わった。日本人の口に合う柔らかいパンに仕上げようと試行錯誤を重ね、現在のパンにたどり着いた。
- パンが人気を得ていく中、ミニトマト栽培に手が回らなくなったことや、ブルーベリーをパンに使いたいという絹代さんの希望で、作物をブルーベリーに転換した。現在は早生から晩生まで60品種550本を数え25㌃で栽培する。
 収穫は6月初旬から8月下旬まで、完熟して糖度が乗ったものを一つずつ丁寧に手摘みして、小粒はパンに、大粒は生果で出荷。それ以外は加工品に使う。
 「パンを手に取って喜んでいる子どもたちの姿を見ると、元気をもらえて製作意欲をかき立てられます」と絹江さん。売れ筋は、ブルーベリーロールパン、ブルーベリーとクリームチーズパン、よもぎ小倉あんパンなどで、美馬市の量販店や県西部の産直市で販売する。パン以外にもブルーベリーをふんだんに使用した商品を開発。特に濃厚なジェラートの人気が高く、ジャム、ワイン、リキュール酒などもある。
 また、地元に自生する山なすび(ナツハゼ)にはアントシアニンがブルーベリーの6倍も含まれていることに着目し、栽培に挑戦するなど研究に余念がない。

写真説明1=ブルーベリーを手摘みする藤尾さん夫妻。「主人は会社に勤めていたころから1週間に一度は土を触らないと休んだ気がしないようでした」と絹代さん
写真説明2=売れ筋のパンなどを前に絹代さん

 

 

 

 

 

 

 

 

父から継いだ畜産 

父から継いだ畜産 和牛繁殖に挑戦へ
吉野川市 上田栄治さん

 –吉野川市鴨島町で酪農と肉牛経営に取り組む上田栄治さん。父親の代から営む畜産は約50年になる。農業を始めたきっかけは「動物好きなのに加え、小さいころから牛と遊んだ楽しい思い出があり、親しみがあったから」と笑顔で話す。
高校時代に酪農の実習で北海道へ1カ月間研修に行き、大学で酪農のノウハウを学び、卒業後は父親を手伝いながら畜産に携わるようになった。
 現在は母親と2人で、乳牛22頭と肉牛15頭、牧草地3・5㌶を管理している。上田さんが心がけているのは、こまめな飼料と敷料の管理。「餌やりは1日に4回。敷料の交換も頻度を多くして、牛がリラックスして過ごせるようにしています」。結果として増体にもつながっているという。
- 「仕事が終わった後、子供と一緒に釣りに行くのが楽しみ」と上田さん。今後は「和牛の繁殖にも挑戦したい」と意欲的に話している。

写真説明=「こまめな飼料の管理を心がけています」と上田さん

 

 

 

 

 

 

収穫体験も盛況 朝取り「甘々娘」 吉野川市「ひまわり農産市」

_吉野川市鴨島町にある直売所「ひまわり農産市」では、収穫時期に合わせ、毎年6月上旬の日曜日に2週続けて「スイートコーン祭り」を開催し、「甘々娘〈かんかんむすめ〉」の店頭販売や収穫体験を行っている。甘々娘は糖度が約17度あり、果物と同じくらい甘いことからスイートコーンと呼ばれ、生でも食べられるのが特徴だ。
_「祭りに備え、32戸の栽培農家が朝に収穫したものを、開始ギリギリまで箱詰めしています。それでも一度に10箱以上売れるときもあり、先週は昼までに完売してしまったので、今週は4万本用意したんですよ」と店長の川原真澄さん。
_収穫体験には開始時刻に合わせて小学生たちが圃場に集まる。収穫した甘々娘を5本まで持ち帰ることができるとあって盛況だ。参加した本庄未宙〈みそら〉さんは「ちぎるのは大変だったけど、大きなトウモロコシが取れたのでうれしかった」と笑顔で話す。
_川原さんは「旬のうちに味わっていただきたい。朝取りのものをゆでて食べるとすごく甘いですよ」と話している。

写真説明1=販売コーナーで接客する川原さん(左)
写真説明2=「大きくておいしそうなものを選びました」と未宙さん

 

 

 

 

 

〈農家キッチン〉牛乳豆腐 まろやか、独特の風味、サラダや水炊きに

_「牛によって乳質が違うので、出来上がりも変わってくるんですよ」と話すのは、三好市で酪農を営む藤丸清美さん。出産直後の母牛から取れる初乳を使用し、「牛乳豆腐」を作っている。
_牛乳豆腐はフレッシュチーズの一種で、生乳を加熱し、酢を加えて作る手軽な料理。初乳は出荷には適さないため、子牛に飲ませる以外の分は廃棄されるが、酪農家の間では自家製牛乳豆腐として利用され、市販の牛乳では出せないまろやかさや独特の風味があるという。
「そのままクラッカーにのせて食べたり、サラダと混ぜたり、水炊きに入れたりすることもありますね」と藤丸さん。「孫にも好評なので作るのに精が出ます」と笑顔を見せる。
_また、牛乳豆腐を作る過程で出る搾り汁は「乳清(ホエー)」と呼ばれ、非常に栄養価が高い。藤丸さんは「夏場は仕事の合間に砂糖を加えたものを飲むことで疲労回復に役立てているんですよ」と話す。
◆材料
牛乳……500㍉㍑(初乳を入手できない場合は無調整牛乳や低温殺菌のものでも可能)
酢……大さじ2杯(レモン汁などを使用しても風味の変化を楽しめます)
◆作り方
〈1〉鍋に牛乳を入れ、中火で加熱する。焦げ付かないようにかき混ぜる。
〈2〉泡が出始めて沸騰する前に火を止め、酢を加えてしばらく放置する。
〈3〉固まったらザルに布巾などを敷き、水気を取る。
※柔らかい牛乳豆腐を作る場合はガーゼなどで包み、自然に水が抜けるようにする。

_写真説明1=牛乳豆腐_写真説明2=牛乳豆腐を手に藤丸さん

 

 

 

 

 

 

ケイトウ栽培に挑戦

_盆や彼岸に仏前に供える切り花として需要が高いケイトウの生産地・那賀町相生地区では、高齢化に伴い栽培農家が減少している。JAアグリあなんけいとう部会(50人)が、ケイトウ栽培の担い手の確保と育成に向け新規営農希望者を募集したところ、今年新たに5人が挑戦。日本一のケイトウ生産地としての返り咲きを目指している。
_同町谷内の飯島好さんは、横浜市出身で徳島県に来て6年。町内で農家の手伝いをしていた飯島さんは、ケイトウ栽培新規営農希望者の募集チラシを見て応募、6㌃の圃場を借りて栽培を始めた。「部会が生産指導をしてくれて、所有する機械を借りてできるので助かる」と話す。
_2018年は台風の影響でケイトウの生産量が減少した。「ケイトウは単価が高いが安定していない。需要はあるが生産量が追い付かない状況だ」と飯島さんは話す。6月に定植し、8月1日から9月まで収穫する。
飯島さんは「2万本出荷が目標。一人でできる限りやってみたい。いずれ独立できるようになれたら」と意気込む。

写真説明=「ナバナの栽培にも挑戦したい」と飯島さん

 

 

 

 

 

ブームが後押し 猫ちぐら

_日本の美しい原風景でもある棚田や茶畑が連なる徳島県三好市山城町。標高200㍍ほどに位置する同町上名で、稲わらを有効利用して「猫ちぐら」作りに取り組んでいるのが、本見忠義さん。猫ちぐらは、稲わらをドーム型に編み上げて作られた猫の寝床のことで、近年は猫ブームも相まって、需要や人気が高まってきている。「猫ちぐらが山城町を知ってもらうきっかけの一つになってくれたら」と本見さんは穏やかに話す。
◎一つの製作に10日間
_もともと手先が器用で、木彫りや竹細工などを趣味にしていた本見さん。県外の新聞で猫ちぐらの記事を偶然見た妻から、「作ってみたら面白そう」と紹介されたことがきっかけで、製作を始めたという。
草履、しめ縄などを作った経験はあっても、猫ちぐらは作ったことがなかったので、さっそく現物を県外から取り寄せた。編み棒を自作し、網目を観察しながら独学で編み、試行錯誤しながら納得がいく形に作り上げた。気づけば、作り始めて20年を迎えているという。
_自家の水稲10㌃から取れる稲わらだけで編み上げ、一つ製作するのにわらを10束ほど使用し、約10日間で完成する。
_「水稲は消毒をほぼ行わないように栽培している。病気対策には気を使うが、人にも猫にも優しいものができるので、苦労に感じることはない」と本見さん。「一つ買ってくれて、『猫が気に入って取り合いをするから』とまた注文してくれた方もいる。実際に使っている写真や、飼い主さんの喜びのお便りが届くのはやはりうれしい」と話す。
◎仲間が増えてほしい
_本見さんが作る猫ちぐらは、高さ約33㌢で、直径が3サイズ(大=約40㌢:2万4千円、中=約35㌢:2万円、小=約30㌢:1万8千円)。近隣の観光・宿泊施設などに見本を置いて販売を代行してもらい、そこで目にした県内外の人から問い合わせや注文が入る。現在は、娘にも作り方を教えながら一緒に製作し、いずれはネット販売にも挑戦してみたいという。
_「手先を動かすので、認知症予防にもなるし、高齢者でも自宅でできるところがいい。元気なうちはずっと作り続けていきたいし、猫ちぐらが山城町を知ってもらうきっかけの一つになってくれたらと思う。周りや他の地区でも猫ちぐらを作る仲間が増えて、交流につながったらいいなぁ」と笑顔で話してくれた。

写真説明=「自家栽培した稲わらだけで編み上げ、人にも猫にも優しいものをと作っています」と本見さん

 

 

 

 

 

 

 

 

スダチ 今年は最高の出来

徳島市 宮原 憲一さん
_「今年は例年に比べて数が少ないですが、香りも良くて果汁も多いし、最高の出来」と話すのは、徳島市の宮原憲一さん。現在、ハウス3棟(20㌃)でスダチを栽培している。
_早朝5時から妻の静子さんと娘の真由美さんの3人で3時間ほど収穫し、取れたてのスダチを選別して市場へ出荷する。「サイズは2L(直径36~39㍉)を基準に収穫しています。目だけでは大きさの判断がしづらいので自作の目盛りが役立っています」と宮原さん。
_ハウスでの収穫は5月から7月までの3カ月間で、安定した出荷とリスクの分散、忙しい時期が集中しないようにするため、おおむね1棟ごとに1カ月と収穫時期をずらす。
_宮原さんは「うちのスダチは皮の薄さが一番のポイント。温度調節や灌水には特に気を付けています。成功や失敗を繰り返し、何十年も経験してきた感覚が今の工夫につながっていると思います。どんな工夫かは秘密だけどね」と笑顔で話す。

写真説明1=「ハウス内はかなりの高温になるので、体調管理にも十分に気を付けています」と宮原さん
写真説明2=宮原さん自作の目盛り

酪農ヘルパーが専門店 チーズの魅力発信

鳴門市 清水 亜希子さん
_酪農ヘルパーを務めながら、チーズ専門店を営む鳴門市撫養町の清水亜希子さん。チーズに関わる仕事に就きたいと思い、チーズ作りの修業に北海道で4年間学んだという。
 _原料を厳選し、徳島市の酪農家の牛乳でチーズを作る。「牛が食べる餌で生乳の色や味・風味が変わる。同じ作り方をしても、出来上がったチーズの品質は微妙に変わるので、微調整が日々欠かせません」と清水さん。
_2018年5月、地元の鳴門市に専門店「チーズの灯〈あかり〉」をオープンした(土曜日午前10時開店、売り切れ次第終了)。店名は、チーズに関わる人と思い(灯)をつないでいきたいと考え名づけたという。1番人気の商品は、2週間熟成させた「しらさぎ」。クセが少なく、酒のつまみにも良いと好評だ。
 _間もなくオープン1周年で、今年はとくしまマルシェの出店が決定している。「チーズの魅力をどんどん発信していきたいですね」と話す。

写真説明1=「しらさぎは橋の名前にちなんで名づけました」と清水さん
写真説明2=清水さんが作るチーズ