カテゴリー別アーカイブ: 新聞(共通)

・おから入り肉コロッケ

和気あいあいと長く続けたい
徳島県那賀町「キッチンあじさい」代表・川原和江さん
*那賀町相生地区の女性10人で2016年10月に結成された「キッチンあじさい」。代表の川原和江さんは「毎週金、土、日曜日に、メンバーの家でとれた米や季節の野菜などを持ち寄って、おから入り肉コロッケやかきまぜ寿司、赤飯などを作って『農産物直売所あいおい』(代表は川原さん)で販売しています」と話す。
* 「おから入り肉コロッケが好評で、もちろんおからも地元産。お客さんそれぞれ好みの味付けがあるので試行錯誤しながらメニューを考えています」と川原さん。「これからもみんなで和気あいあいと長く続けていけたら」と話してくれた。
◆材料(約60個分)
ジャガイモ……1㌔
おから……700㌘
合いびき肉……300㌘
タマネギ……1㌔
ニンジン……500㌘
塩・こしょう……適宜
しょうゆ……175㏄
砂糖……150㌘
みりん……75㏄
酒……50㏄
〈衣用〉
薄力粉・パン粉……適量
卵……適量
油……適量
◆作り方
〈1〉フライパンで合いびき肉とみじん切りにしたタマネギ、ニンジンを炒め、さらに調味料を加えて炒める。
〈2〉おからは軽く炒めて水分を飛ばす。
〈3〉ゆでたジャガイモをつぶしたものに〈1〉と〈2〉を混ぜ合わせる。
〈4〉好みの大きさに形を整え、薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣を付けて油で揚げれば完成。

写真説明 左=「キッチンあじさい」のメンバー。右端が川原さん
写真説明 右=おから入り肉コロッケ

 

 

 

 

 

 

 

 

・生乳の安定供給目指す

力を合わせて令和にチャレンジ
「令和」初のお正月! 結婚して数年の初々しい専業農家の若夫婦にとって、初めて迎える時代の節目です。新時代の夢や抱負、農業にかける思いを紹介します。

*美馬市脇町で酪農を営む西條知也さん・美沙さん夫妻は2016年に結婚。搾乳牛を増やし、規模拡大を進めていくのがこれからの目標だ。
* 知也さんは会社勤めをしていたが、家業を継ぎ酪農家に転身した。「しっかりと世話をすることで、不調な牛が元気になったり分娩が無事に済んだりしたときなどにやりがいを感じます」
* 美沙さんは香川県で酪農に携わる仕事に就き、その後は徳島県の牧場に就職した。「仕事を続けるうちに酪農がどんどん好きになり、結婚するなら酪農家と決めていました」。現在は子育てをしながら、父母と共に約100頭の乳牛を飼育している。
* これまでは自家生産牛だけで経営していたが、19年から新たに導入も行うようになった。乳量の多い牛を入れていくことで、これまで以上に安定した生乳の供給ができるように、先を見据えた経営形態の改良にも力を入れている。
* さらに、新たな設備を設け、掃除などの機械を取り入れた。作業効率が上がったため、時間を有効に使い、牛が健康で安全に暮らせるための対策や改善も進めている。
* 知也さんは「2歳になる息子がいますが、まったく怖がることなく牛と接し、遊びながらも仕事をまねてくれています。将来、親子で一緒に酪農ができたらうれしいですね」と笑顔で話してくれた。

写真説明=西條さん夫妻。「休みのときには家族でドライブに出かけたりして気分転換をしています」と知也さん

 

 

 

 

 

・キクイモで地域も元気に

*栽培・加工・販売を先導する徳島県美馬市の研究会
*加工品に全国から注文/耕作放棄地対策にも一役

*キクイモを栽培する美馬市脇町の三笠桂司さんは、キクイモの周知と販路拡大のため、栽培農家を集め「徳島県美馬つるぎ地区キクイモ栽培加工消費研究会」を立ち上げた。会員が栽培したキクイモは、生食用のほか、チップスやパウダーに加工され、地元の産直市やイベントで販売している。珍しい健康食品ということもあり、全国各地からの個人注文も多いという。
* ◆雑草や病害虫に強い
* 三笠さんがキクイモ栽培を始めたのは2011年。妻・英子さんの「キクのような花を咲かせる芋がある」という言葉に興味を持ったことからだった。翌年には研究会を立ち上げ、現在は会長を務める。
* キクイモは雑草や病害虫に強く、農薬散布や施肥などを行わないため、植えた後は手がかからない。そのため、高齢化の進む中山間地の耕作放棄地対策としても一役買っている。収穫期は11月末~3月ごろの農閑期で、収量は1株当たり1~2㌔になるという。
* 三笠さんは「会員の圃場で連作障害の白絹病が発生しました。目下の課題は連作障害対策ですね。また、50㌢間隔に植えられたキクイモは圃場に広々と根をはわせるため、収穫作業は一番の大仕事です」と話す。
* ◆使いやすいパウダー
* キクイモには食後の血糖値の上昇を抑える効果や、脂肪蓄積抑制効果のあるイヌリンが豊富に含まれ、食物繊維が豊富なため便秘改善の効果もあるという。
* 血糖値が高かったという三笠さんは、健康のためにスムージーにして毎朝飲んでいる。また、自らの経験をもとに「パウダーはサラダやきんぴら、みそ汁に混ぜたりすれば、毎日の食事に取り入れやすいですよ」と薦める。
* キクイモを加工するうえで一番大切にしているのは安全性だ。きれいに洗ったようでも、乾いてから確認するとコブの部分などに小さな汚れが残っていることに気づく。そのような小さな汚れも残さないために、洗浄や乾燥の仕方を工夫するという。
* 最近では地域の学校給食にも提供しているため、研究会では生で出荷するキクイモの品質を25㌘以上・コブ二つ以下と定めて高い品質を保っている。
* 今後の展開については、「うちのキクイモが世界農業遺産の『にし阿波の傾斜地農耕システム』ブランドとして認証されたので、認証品のロゴマークを商品のパッケージに付けています。それにより手に取ってもらえる機会がさらに増えるのではないかと期待しています。最近は、全国の個人客への対応をスムーズに進めるためにパソコンの勉強なども始めました」と話してくれた。
* ▽集団営農で水稲約300㌃、キクイモ50~60㌃(年間収量約20㌧)

写真説明=チップスとパウダーの商品を手に「根を広げたキクイモの収穫作業は一番の大仕事です」と三笠さん

 

 

 

 

 

 

 

・新天地でチンゲンサイ栽培

*今年7月に大阪から阿南市吉井町に移住した白石光さんと昌美さん夫妻。現在はハウス10㌃でチンゲンサイ「武帝」をメインに栽培している。
* 「これまで農業にまったく関係のない職種だったので、体力的に作業が大変でない規模で、二人で農業できるところを3年前から探していました」という光さん。「移住後の具体的なプランを『加茂谷元気なまちづくり会』の方がしっかり立ててくれたので、できるだけ早く、自分たちが若いうちにと移住を決断しました」と話す。
* 予算や設備投資の面でハウス栽培にはあまり興味がなかったが、サンチュ栽培をやめたばかりの空きハウスを借りられると聞き前向きになった。光さんは「すごくいいタイミングだったなと思う」と話す。
* 灌水設備は、以前このハウスで使われていたものを使っている。「資材を買うにもまだ収入が得られない状況なので、ホースなど使えるものは使いたい」と光さん。昌美さんは「JAチンゲンサイ部会の農家さんや営農指導の方に教えていただきながら、自分たちにあったやり方でちゃんとしたものを作って、お世話になった方に恩返しをしていきたい」と話してくれた。

*写真説明=「200穴のトレーで育苗して定植。これからの低温期での収穫日数は約1カ月半で年8回の収穫を目指したい」と光さん

 

・仲間とソフトバレー

*「いけるいける」「まだとれるよ」とにぎやかにソフトバレーに取り組むメンバーの一人、徳島市八多町の河野仁美さん。
* 河野さんは夫婦でミカン(10㌃)とスダチ(20㌃)を栽培する傍ら、JA徳島市南部しいたけパックセンターに設立当初から勤め続けて16年になる。
* シイタケの出荷量が増えるこの時期、ますます忙しく、休日出勤することもある。シイタケを傷つけないように、規格に沿って手早く美しく入れるには気配りが必要だ。
* 「立ちっぱなし、座りっぱなしの同じ手作業、みんなとバレーをしてリフレッシュしています」と河野さん。ソフトバレーをするのも見るのも好きだという。10年ほど前、気分転換にと声がけをしたところ、10人ほど集まったのがメンバーで始めるきっかけ。「人数さえそろえば毎日でも大丈夫ですよ」と笑顔で話す。
* 同センターの昼休み、一人また一人と有志が輪に加わりバレーを楽しんでいた。

*写真説明=「メンバーが集まると、とてもにぎやかです」と河野さん

 

 

 

 

 

 

 

・「来年も」の声を励みに米作り

*堀田康二さんはNOSAI部長・損害評価員を務めるかたわら、地元の住民グループ副会長も務め、小松島市新開小学校の1年生と5年生を対象に、田植えや稲刈りの体験会を開いている。
*「子どもたちには、米作りの体験を通じて農業に関心や親しみを持ってほしいし、大人になっても体験したことを覚えておいてほしいですね」
*堀田さんは約240㌃の水田を借りて耕作しており、「来年もまた米を作ってほしいという声が励みになります。健康に気を付けて、これからも米や菜の花の栽培に取り組みたい」と意気込んでいる。
*▽徳島県農業共済組合南部支所▽NOSAI部長・損害評価員歴17年▽担当戸数14戸▽水稲320㌃、菜の花10㌃

 

・ユズ 良品を安定出荷 適期の防除を念入りに

* 「市場の需要があるM級サイズの良品を安定出荷できるように、摘果や剪定、消毒などに気を配り、多くの方にユズの風味の良さを味わってもらいたいですね」と話すのは、那賀町の湯浅幹央さん。25年前に定植し、本格的に取り組み始め、現在36㌃でユズ栽培に力を注いでいる。
* 毎年10月下旬ごろ、5~7割程度着色した実から取り始め、11月下旬には収穫を終える。「普段は1人で作業していますが、収穫や実の選別作業には4人ほど手伝いに来てもらっています」
* 料亭に出す葉付きユズなどの高級品は、病虫害などで傷や変色がないか湯浅さん自身の目で十分に確かめており、選別にはかなり神経を使うという。また、良品を栽培するため、葉の表裏、果実や木全体を時間をかけて念入りに防除している。
* 「適期に防除できるように心がけていますが、雨が続くとできないので気象に左右され難しいときもあります」と湯浅さん。「大変なときもありますが、試行錯誤しながら良品を出荷できるよう頑張りたい」と話してくれた。

*写真説明=「中学生と高校生の孫が陸上競技の長距離選手で活躍していて、県内外に応援に行くのが楽しみ」と湯浅さん

 

 

 

 

 

・生食用ケール 通年栽培に挑む

* 「野菜は食べてみないと味が分からないから、どうしても見た目で選ばれるようになります。より新鮮でおいしく、きれいなものを出荷できるよう、自分で納得のいく野菜作りをしたい」と話すのは、市場町で生食用ケールを栽培する木津主雄さん。栽培を始めたきっかけは、新しい品目を育ててみないかと種苗店から勧められたことだったという。1年目に500株を定植し、現在4年目。通年栽培を目指し試行錯誤を重ねている。

* ケールは、栄養価は高いが苦味がある青汁用のイメージが強い。しかし、生食用は、加工用よりクセが少なく、そのままサラダなどで食べられる。
「主食野菜になることはなかなかないが、固定のリピーターがいる野菜。特に冬場のケールは、葉にフリルが多くしっかりして、内に蜜をためるようになります。茎を折ると透明な蜜があふれて甘味が増すので、一度食べてみてほしい」と木津さん。

*主な販路は四国4県、大阪など。生食用で出荷するので、できるだけ安心な状態で出したいと考え、イオン発生機の導入を決めた。
「たとえ消費者に伝わらない部分でも、少しでも気を配ることで品質を保てます。そうした信頼の積み重ねが、結果的に栽培農家を守ることにもつながるのだと思います」
* 農薬による防除はなるべく減らし、樹液が成分の忌避剤を使用するという。薬剤費は割高だが、これも差別化の取り組みの一つだ。
* 生食用ケールのほかに、カリフローレも栽培。カリフラワーの変種であるカリフローレだが、耐病性が低く、気温の変化に敏感で、50㌃の作付けに対し収穫に至ったのが10㌃だったこともある。耐病性に優れた新品種ができたので、それも試したいという。
* 木津さんが好きなケールの食べ方は新芽の天ぷら。しかし、新芽は柔らかく出荷できないため、それを食べられるのは農家の特権だという。「農家は〝食べてナンボ〟だと思います。自分が特別こだわりを持ってやっているとは思いませんが、播種時期や植え方など試行錯誤を重ねて、通年で収穫できるようにしたい」と話してくれた。
* ▽木津さんの経営=ケール10㌃、カリフローレ40㌃、ハクサイ40㌃、キャベツ15㌃、水稲「コシヒカリ」60㌃、肉用牛7頭、発酵粗飼料用稲・飼料作物など。

写真説明=「変わったもの、人とは違うものも栽培していきたい」とケール畑で笑顔の木津さんと妻の直美さん

 

 

 

 

 

・ブドウ栽培と養蜂で阿波の魅力発信

*阿波市の地域おこし協力隊「おおげつひめプロジェクト」に2018年4月から参加する丸岡初美さんと井本加奈子さんは、夢の実現に向けて前向きに取り組んでいる。
*丸岡さんは三好市東みよし町の出身。都市で企業の一員として働くより手に職をつけたいと、同市土成町の御所農園でブドウ栽培の技術を学んでいる。
*「作業は年1回ずつしか挑戦できないので、流れを覚えて味や品質を落とさないようにしたい。ブドウの成長が日々目に見えることが楽しくて、苦になることはありません」
*愛知県半田市出身の井本さんは、農業に携わるのは初めてだが、自然が大好きで挑戦することを決めた。同市阿波町の影山養蜂研究所で養蜂技術を学び、将来はそのまま移住して養蜂で生計を立てたいという。
「天敵のスズメバチ、巣箱に湧くダニ対策も、自分なりに調べて試してみています。いつか蜂蜜加工品にも挑戦してみたいです」
*2人は阿波市や農業の魅力をSNS(会員制交流サイト)で発信している。「農業に従事する女性を積極的に求めていたこの協力隊に出合えて良かった」と笑顔で話してくれた。

*写真説明 左=「何もかも初めてで新鮮です」と丸岡さん
*写真説明 右=「蜂が元気だとうれしい」と井本さん

・ものづくりの喜び求め 地域との関わりを大切に

* 昨年、大阪府から神山町へIターンで移住し、研修生として農業に取り組む松本直也さん。「縁もゆかりもない地へ移住するということもあり、何度も何度も家族会議を開きました。また、近くの県の農家さんを何軒も訪ね、農業に対する家族の理解を得ていったんです」
* 前職で商品開発に携わっていた松本さんは、ものづくりの現場から次第に離れていってしまうことに寂しさを感じていたという。「自分が本当にやりたいのは、自分の手でものをつくり、それをエンドユーザーへ直接届けること。それを実感できるのは農業しかない」と就農を決意した。
* 「株式会社フードハブ・プロジェクト(神山町神領)の農業研修生募集のサイトを妻が見つけて勧めてくれたのが、今回の移住のきっかけになりました」
* 移住すると決めた時に、もう一つ決めていたことがある。地域コミュニティーとの関わりを大切にすることだ。地域の祭りや催しに参加し、地域の人と関わりを持つことで、相談ができる友人もできた。今では「周りの方がみんな親切なので、苦労は特にありません」と笑顔を見せる。
* 同町では今まで約240人が移住し、移住者たちを受け入れる土壌が育ってきているようだ。
* 松本さんは移住する前から徳島に興味を持っていたという。「四国は気候も良く、野菜栽培に向いており、徳島産野菜の評判は市場でもすごくいい」
* 来年には2年間の研修が終了し、そのまま同町で就農する。現在も取り組んでいるナスなど野菜の露地栽培から始める予定だ。
* 人生の新たなスタートを切った松本さん。自分の作った野菜で笑顔になってくれる人をいっぱいにするため、今日も汗を流している。

****写真説明=フードハブ・プロジェクトの圃場でナスを栽培する松本さん