農業共済新聞(10月)を掲載しました

農業共済新聞(10月)を掲載しました

気象災害特例の新設に安堵
徳島県那賀町  飯島 好さん

_収入保険を知ったのは、ケイトウの栽培を始めた2019年、先輩農家の自宅で偶然その場に居合わせたNOSAI職員の話を聞いたときでした。農業収入の減少を補てんできるというほかにはない保険として、加入する考えが当時からあり、21年分補償から契約しました。コロナ禍や突然の異常気象のような不測の事態に備えるためにも、収入保険は私にとって必要不可欠です。
_就農当初は安定した収量と自分に合った営農スタイルを探すため、ケイトウ以外の栽培も試しました。収入保険は、そのような試行期間の失敗のリスクにも備えられます。
_21年には、栽培していたハボタンが、地域的に大量発生したコナガの幼虫の食害で全滅しましたが、保険金を受け取ったことで、損失は最小限に収まりました。ケイトウは価格や需要の変動幅が大きく、特にコロナ禍では市場が不安定な時期が続きましたが、収入保険に加入していることで強い安心感を得ながら営農できています。
_一方で、天候の影響を受けやすい露地栽培がメインの私にとって、近年の異常気象に対して収入保険だけでは拭えない不安がありました。天候による大損害の補てんを受けても、次年度の基準収入が大きく下がってしまうからです。しかし、甚大な気象災害を受けた年の収入金額を補正してくれる気象災害特例が来年新設されると聞いて、補償の拡充に今は安堵〈あんど〉しています。
_私が所属する相生ケイトウ部会では、担い手の高齢化と後継者不足が進んだこともあって、新規就農者を随時募集中です。地域活性化への足がかりとして、ケイトウ栽培が魅力的で努力が報われるなりわいになることを願っています。そのためにも、新規参入者には安定を見据えて収入保険への加入を勧めたいです。