農業共済新聞(4月)を掲載しました

農業共済新聞(4月)を掲載しました

軌道に乗る和牛繁殖・肥育
椿町ブランドつくりたい
阿南市 米山博城さん
_「偶然出合った1頭から和牛繁殖の道が開かれた」と話す米山博城〈よねやま・ひろき〉さん(45)。阿南市椿町で黒毛和牛を約80頭飼育する。
_県外の大学を卒業後、祖父の代から続く牧場を継ぐため椿町へ帰郷。2016年まではホルスタインを肥育していたが、枝肉価格に対して飼料・おがくず代が高く、経営の難しさを感じていた。
_そんなときに先輩の畜産農家から黒毛和牛の導入を勧められ、雌の和牛を1頭だけ購入。その雌牛が産んだ最初の黒毛和牛が、21年に食肉市場で優秀賞を取り、枝肉の価格や出来に手応えを感じ黒毛和牛の増頭を決意した。
_妻のふみさん(45)が家畜人工授精師の資格を持っていたことが幸いし、現在では繁殖用の黒毛和牛を17頭まで増頭。産まれた牛の肥育・出荷も軌道に乗っている。
_今後は母牛としての優秀な血統を研究・選別しながら飼育し、より品質の良い牛を出荷していきたいという米山さん。「いつかは地名を冠したブランド牛をつくり、自身の取り組みや過疎化の進む椿町の名を全国に発信していきたい」と話してくれた。

「大きく育ってほしい」と期待を込めて餌やりをする米山さん