働き方改善、6次化推進 「勝占いちご」を盛り立てたい

働き方改善、6次化推進 「勝占いちご」を盛り立てたい

* 東日本大震災をきっかけに、2011年10月、東京から徳島市大原町に帰郷し、家業のイチゴ農家を継いだ有限会社西岡産業取締役の西岡さち子さん。「当時、コンビニなどから食べ物が消えて、食の大切さに気付きました。食べ物を作る仕事っていいなあと思い、子育てにも適していると考えて決断しました」と振り返る。
* 西岡さんは「おいしく、安全で、喜ばせられるもの、自分の子どもに食べさせたいものを作ること」を基本にイチゴ栽培に励む。
* 就農後にまず手掛けたのは、栽培一辺倒で無理を重ねる労働状況の見直しだった。作業の集中時や収穫適期を予測することで働き方を改善し、買い手の要望を考慮するなど売り方も工夫した。知人の声をきっかけに西岡さんの母特製のイチゴジャムを販売するなど、6次産業化も進めた。
* 「SNS(会員制交流サイト)なども活用してイチゴ栽培の様子を知ってもらい、特産『勝占いちご』を産地のみんなで盛り立てていきたい。個人の名を冠するのではなく、勝占いちごが認知され、選ばれるイチゴになるようにこれからも取り組んでいきたいです」と意気込む。
* 商品の一つ「冷凍勝占いちご」は、?本全国の優れた産品を発掘・表彰する「フード・アクション・ニッポンアワード2020」入選100産品に選定されている。

写真説明=「赤い実を収穫するのがとにかく楽しい」と西岡さん