壮観 逆アーチ状の柿すだれ 見た目もおいしさも評判

壮観 逆アーチ状の柿すだれ 見た目もおいしさも評判

つるぎ町の名物「一宇大和柿」のだいだい色が、冬の山里を鮮やかに彩る。その中でも、田村愛子さん方の柿すだれはひときわ目を引く。
* 田村さんは、夫婦二人でひと冬に約5千個の干し柿を作る。朝はゆっくり、仕舞いは早く、無理のない程度に数日に分けて収穫。その後は手作業で皮をむき、出来栄えを確認しながら寒風に約1カ月さらすと、きれいなべっ甲色に仕上がる。干し柿作りを始めて10年、この時期になると「霧が立ち込めていませんように」と考えながら目を覚ますという。
* 手塩にかけて作られた干し柿は、味の良さ・実の大きさから好評で、入荷を心待ちにしている人がたくさんいる。
* 田村さんの干し柿を楽しみにしているのは消費者だけではない。逆アーチ状につるされた干し柿を一目見ようと、たくさんの人が田村さん方を訪れるという。田村さんは「毎年のように来てくれる人がおるけん、来年からは来客記録簿をつけようと思っとるんよ。せっかく来てくれる人の顔は覚えときたいでえなあ」とにこやかに作業を進める。

写真説明=「干し柿作りで今が一番大切な時期なんよ」と出来栄えを確認する田村さん