**新型コロナウイルス感染症、自然災害などで大変な思いをした年が終わり、新しい1年が始まりました。時代状況が大きく変わる中で、四国版で過去に紹介した「新規就農者」の若者たちが、地域を担う「ベテラン農家」へと挑戦を続けています。就農後の取り組み、新たな挑戦などを話してもらいました。
*▻徳島県佐那河内村 栗坂 政史さん
**10年前は「ももいちご部会」の青年部長だったんですが、2020年6月に部会長に就任しました。おかげで、耳に直接入ってくることや、役場や業者さんなど他団体との折衝が増え、忙しくなりました。
**ももいちご部会では「さくらももいちご」の栽培に取り組み、部会員は現在22軒。当時より生産量も売り上げも3割から4割増えてきています。また、糖度調査は継続して徹底して行っています。
**目標としていた関東方面への販路拡大を達成し、4年ほど前からは東京の百貨店で試食販売会を行っています。出荷は、ほぼ9割は大阪に、1割程度は東京、遠くは北海道まで届けられるようになりました。別の販路も模索しているところです。
**今後の目標には産地維持があります。当部会でも高齢化が進み、大きく分けると、ももいちごの創成期を支えてきた80歳代のベテランの層と、私たち40歳代を中心とした層になります。
**このため、若手後継者を育成する、受け入れるということが一つの柱になります。それについては、役場などと協力して、移住も含めた産地の形成を整えていきたいと思っています。
**また、一方で、ずっと産地づくりを支えてきてくれた方たちには、面積を減らしてでも元気に続けていってほしいという思いがあります。昨秋に部会全体で、作業場の照明を太陽光に近い色の発光ダイオード(LED)に統一しました。目をいたわることと基準をそろえる意味合いから導入したものです。
**これからも若手と大ベテランが力を合わせて産地維持を進めていきたいと思っています。
**▽イチゴ18㌃、スダチ30㌃
写真説明=「部会長に就任して忙しくなりました。生育は順調です」と栗坂さん