* 土成町で鶏肉加工の有限会社「阿波食品」を2005年に設立した大塚由香さん。夫の博康さんとともに、創業10年目にはオリジナルブランド「いっちょかー」を立ち上げた。発案・企画は由香さん、試作して形にするのは博康さんが担当。「食べることは生きること。口にするものはとても大切なので、家事の時短につながるだけではなく、おいしくて体に良いものをという思いで商品企画をしています」と話す。
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* 「もとは家業で食鶏処理をしていましたが、継ぐ予定はありませんでした。けれども、産休中に家業を手伝い、家事・育児との両立に奔走したことをきっかけに、自家加工を続けながら時間を有効活用していこうと考え、継ぐ決意をしました」と大塚さん。
* 同社は学校給食への卸売を主としているが、新型コロナウイルスの影響で休校になり、学校給食への全販売がストップした時期があった。大塚さんは、この状況下でのチャレンジとして、工場での予約直売をスタートさせた。
* 「調理済みワンコインデリが特に好評です。家族の在宅時間が増え、自宅で食事をする機会が増えた家庭が多いと思います。そんな中、忙しいお母さんたちを助けたいと思って。大手企業さんと比べたらコストはかかるけれど、添加物を入れずおいしいものを作りたいと、味にこだわって作っています」
* 人気商品の一つ「アスリートチキン」は、国産の鶏ささみに徳島県産のユズ果汁を味付けに使用したささみバー。常温で1年間保存できるので、ローリングストックとして使用するのがお勧めだという。
* 「これからも『人を応援したい』をコンセプトに、ものづくりをしたい」と大塚さん。「SDGs(持続可能な開発目標)の考え方を知ったとき、『自分の中にあった思いが明文化されている』とうれしくなりました。地産地消で余剰配送エネルギーを減らすこと、働きがいを持って長く勤められるような職場環境をつくっていくことなどです。食品を通じて人の生活に寄り添うようなサービスを考えていきたいです」と意欲を見せる。
* 商品は同社直売所のほか阿波食ミュージアム(石井町)、インターネットでも購入できる。
** ▽阿波食品=阿波市土成町土成美緑210の1▽営業は午前9時~午後5時(水、日曜定休)** ▽商品のネット購入=https://ichoka.com/▽問い合わせ=電話088(695)2206
写真説明1=「こんなものが欲しい、食べたいと、アイデアはどんどん湧いてくるので、話をするだけで楽しいです」と大塚さん
写真説明2=アスリートチキン