激辛トウガラシ生産・販売 根強いリピーター、定植増やし特産へ 地域活性の起爆剤に

激辛トウガラシ生産・販売 根強いリピーター、定植増やし特産へ 地域活性の起爆剤に

*世界一辛いといわれたトウガラシ「キャロライナ・リーパー」が、阿波市土成町で生産・販売されている。その名も「AWA Devil’s pepper(アワ・デビルズペッパー)」。現在はその順位こそ譲っているものの、辛さは「ハバネロ」の約5倍と、〝悪魔的〟辛さを誇っている。生産者の森本英巳さんは「キャロライナ・リーパーは、乾燥中は少し甘い匂いがする。食べてみると、辛さの中に甘味とコクがあるが、辛さ耐性に自信がある人でなければ、辛味が強すぎて感じにくいかもしれない」と話す。
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*森本さんは千葉県で40年勤めた後、Uターンを決めた。その際、農業の経験が無い自分にも作ることができて、地元で取り組んでいる人がないようなものに挑戦したいと、激辛トウガラシに目を付けた。
*2018年秋から少しずつ栽培を始め、今年は135本の苗を定植。播種後にうまくいかず、いくつも種をだめにしてしまったこともあったという。
*「国内ではあまり生産されてなく、情報やノウハウが少ないため手探り。2年目の方が実の着きが良くなるので、一部をハウスに移して越冬させ、追植分と併せて500本定植させることが来年の目標です。デリケートで茎も弱いが、栽培していて面白い」
*実の部分すべてを加工するため、薬を使う防除は控え、一つ一つ手に取って中を割り、状態を確認してから乾燥機へ投入する。生の実から出る辛味成分は刺激が非常に強いため、肌が弱い人は防護服を着用して作業するという。うっかり素手で触ると、手を洗ってもしばらくひりつくため、万が一のことがあってはいけないと、すべて森本さん1人で作業する。
*収穫期は7~9月。暑い時期だが、作業所内に粉末が舞うといけないのでクーラーや扇風機は使わない。汗をかきながら、こつこつ丁寧に作業に当たる。
*根強いリピーターを持つアワ・デビルズペッパーは、お遍路さんの休憩所で販売するほか通信販売にも対応。今後は、実のままの状態のものなど、バリエーションを増やす予定だ。
*「ごく少量で十分に強い辛味があるので、普通のトウガラシよりコストパフォーマンスが高い。激辛チャレンジメニューやイベントでの活用も考えられると思うので、新たな特産の一つになって、地域活性の起爆剤になれたらと思う。人が辛いと言っているのは面白いからね」といたずらっ子のように笑った。
▽販売場所=阿波市土成町吉田涼ミ堂24の2▽営業午前8時~午後6時(日によって変更あり、来店の際は電話推奨)▽ホームページ=yamaohji.com

写真説明1=圃場でキャロライナ・リーパーの熟れ具合をみる森本さん
写真説明2=手前が実(いったん冷凍させたもの)、奥は乾燥させたもの