* 母親が始めたブルーベリー園25㌃とジャムの加工場を受け継ぎ、借地でブロッコリーなど80㌃を栽培する板野町の石川五重さん。高校で英語の教員として勤務していたが、もともと農業に興味があったことと、新規就農者の制度を利用できるタイミングが重なり、2015年に就農に踏み切った。また、同年から「いたの里山マルシェ」を開催し、地域の魅力発信に取り組んでいる。
*石川さんが園主を務める「落合ブルーベリー園」では農薬を使わない栽培を心掛けており、「虫害や鳥害のコントロールが大変ですが、その分やりがいも大きいですね」と話す。また、植栽間隔を広めにしたり、防草や乾燥防止のためにもみ殻を多く入れたりと工夫している。現在は「ラビットアイ」という品種を中心に栽培し、就農1年目に新植したものは今夏に収穫できる見込みだ。
*7月上旬から8月中旬には、予約制の観光摘み取り園と直売所を開き、県内の観光コースづくりにも取り上げられている。
*「ブルーベリー園を訪れる方はリピーターもいて、その人たちから、おいしいと言ってもらえることがとてもやりがいにつながりますし、自分がしたかった農業ができていると実感できてうれしいです」
*また、地域の集落営農で米の収穫に参加するほか、柿・小麦・クリ・ブロッコリーなどの栽培やジャム加工にも精力的に取り組む。
*それらの活動を生かし、いたの里山マルシェを開催している。「出店者や出演者が徐々に集まり、小さいマルシェですが、里山の風景が評判です。ゆったりと過ごしていくお客さんが多いですよ」。このイベントは年間5回程度開催され、カレー屋台や小物細工・美容関係などさまざまな店が並び、1日100~150人ほどが訪れる。
*「活動を通じて、地域の耕作放棄地削減や魅力アップにも、もっと貢献していきたいと思っています」と力を込める石川さん。活動の情報はフェイスブック「落合ブルーベリー園」とライブドアブログ「落合ブルーベリー園のブログ」で発信されている。
写真説明1=「今年は新型コロナウイルス感染症の影響で観光園の営業も大変かなと思いますが、開園に向けてしっかり準備して頑張りたい」と石川さん
写真説明2=いたの里山マルシェ(昨年5月)