農業共済新聞
2025.06.04 【農業共済新聞】「コシヒカリ」拡大 地域から生産引き受け を掲載しました
「コシヒカリ」拡大/地域から生産引き受け/矢野修さん・阿南市
_阿南市の矢野修(やのおさむ)さん(77)は、今年は水稲「コシヒカリ」を昨年より110㌃多い380㌃を作付けしている。「近所の農家から作ってほしいと頼まれたら、引き受けるしかないよ」と話す。
_矢野さんの本職は建具職人。精緻な技術を駆使して障子やドアを作り、京都の料亭や文化財の修復も手がけている。作り手が減っている雪見障子などの製作依頼も矢野さんを頼りに入ってくるので、快く引き受けている。
_効率的に栽培するため、トラクターやコンバイン、乾燥機などの農業機械の導入も惜しまずにやってきた。「機械を使うと楽しいし、効率化になる。今、機械を購入しておけば、あとは修理費だけで済む」と矢野さん。85歳まで農業を続けることを目標に掲げる。
_近所の人たちにも矢野さんの米は評判だ。「『おいしい』と言ってくれるとうれしい」と、地域の人々との温かいつながりを大切にしている。その優しさと米作りへの情熱は、周囲の笑顔を生み出し、地域に欠かせない存在となっている。
「農業が楽しいです」と田植え後の水田の前で話す矢野さん