・〈特集〉四国の牛肉を売ろう  早期離乳で健康牛を出荷 事故率低減、受胎率は向上

・〈特集〉四国の牛肉を売ろう  早期離乳で健康牛を出荷 事故率低減、受胎率は向上

1父から継いで2代目になります。肥育、繁殖と経験したうえで、自分には現在の繁殖が一番向いていると思います。
1肥育だとどうしても事故が起こることがありますが、うちでは現在、難産で死亡することが2年に一度あるかどうかで、それ以外の死亡はないですね。とにかく牛が死ぬのが嫌なので、そうならないように早めの対策ができるよう気を配っています。
1一番のポイントは、早期離乳です。初乳だけ与えたら、あとは人工哺育で、母牛と離します。これで、まず子牛の成育の状況がよく分かります。
1母牛に任せていると、子牛がどれくらい乳を飲んでいるのか分かりづらいものですが、こちらでよく観察していると、風邪気味かなとか、ミルクを飲んでいないな、というのがすぐに把握できます。痩せているなと思ってからでは遅い。スタートが重要なので、生後2~3カ月の間に、人工乳と濃厚飼料をぐんと与えておくことで、事故率が下がります。
1また、早期離乳により母牛への負担も減らせるので、受胎率が高いことも長所だと思います。
1牛舎は3カ所。家に一番近い牛舎で哺育をしているので、目が届きやすいです。ただ、母牛と離して育てるため、初乳による免疫が切れる生後2週間ごろには必ずワクチンを接種しています。このことも事故低減につながっていると思います。
1日頃から牛をよく観察するとともに、これからも安全・安心をさらに徹底していきたい。しっかり育てて肥育にバトンタッチしていきたいです。                     (徳島県 後藤和範さん)

写真説明=「人工哺育をしている子牛は懐いてかわいいですね」と後藤さん。徳島県内産和子牛共進会で昨年と一昨年の2年続けて優秀賞を受賞している