・果樹農家がシロップ専門店 商品開発に元調理師の心意気

・果樹農家がシロップ専門店 商品開発に元調理師の心意気

**店舗をプロモーションの場と捉え、自家製シロップやジャムのほか、ドライフルーツ、グラノーラもそろえる専門店「KAWAZOE FRUIT(鳴門市大津町大代)」。店主の川添雄大さんは「主力商品のシロップを食べてもらうための提案として、グラノーラや自家製も含めたドライフルーツを販売しています」と話す。農業は作物を栽培して出荷するだけではなく、加工や販売も含めたものと考え、栽培を担当する両親との連携を大切にしながら商品開発や経営に取り組んでいる。
* 同店は鳴門市の中で少し奥まったところにある。「県外から来る方は地図を調べて来てくれますが、地元の方のほうが迷うみたいですね」と雄大さん。実家はナシやウメを主とした果樹農家で、雄大さんで4代目になる。
* ゆくゆくは家を継ごうと考えていたが、調理師を目指し、大阪の調理師専門学校を卒業。その後、徳島県内のレストランで調理師として勤めていたが、自分で起業したいという思いから、24歳で専門店を立ち上げ、瓶詰め加工品業を始めた。
* 最初に取り組んだのはナシのジャム。当時、メーカーではなく個人でナシをジャムにして販売するところはほぼなく、試食を勧めても「ナシをジャムにするなんて」と手にしてもらえなかったという。
* その悔しさをバネに、味もパッケージも見直していった。「創業当時は、100パーセント自家製。それに、調理師をしていた経験からか、全部自分で作っていたので大変でした」と振り返る。
* 果樹園の栽培管理は主に父の誠司さんが担当しているが、旬の作物を加工するため、特にウメの収穫は雄大さんが主体となって行う。半月ほど前から収穫のタイミングを計り、家族やスタッフはもとより、知人にも声をかけて一斉に取り掛かる。
* 店を立ち上げたときには両親と“衝突”することもあったが、「家族で作っていること、両親が栽培したものをもとに作っているからこそ生まれる付加価値もあると思うので、家族間の連携を大事にしています」という。
* 無添加ゆえの日持ちの短さ、旬を逃がさず商品をそろえることに苦心しつつ、調理師としての経験から、「こういうものがあったらいいな」というものを開発している。「商品開発のようなもの作りも経営も、どちらもやりがいがあります。地道に取り組みながら、攻めていきたい。また、10年後をめどに、ナシの面積を減らし、レモンやライムを植え、果汁を商品にできるよう取り組んでいきたい」と意欲を示す。
** ▽店舗の営業は午前11時~午後5時。定休日は水・木曜日。

写真説明1=「うちは昔からナシの直売をしていたので、できたものを買いに来てもらうという土壌はあったと思います」と雄大さん

写真説明2=梨糖蜜を用いた梨糖ナッツ㊧と梨糖ナッツチョコ

写真説明3=4年前に開発したオリジナルの梨糖蜜〈りとうみつ〉。「せきが止まらないときに少しなめてもらっても」