徳島県上板町 日下 和芳さん
* 夫婦二人三脚でタバコ、柿、水稲、ブロッコリーを手がけています。以前は洋ランを栽培していましたが、燃油の高騰で採算が取りにくくなり、思い切って露地栽培の作物に切り替えることを決めました。
* 機械化が可能な部分は機械に任せて労働力を下げ、いかにして品質改善に力を注げるかを心がけ生産しています。
* 良品質のものが作れていると自信を持って野菜作りをしていますが、景気の良い話ばかりではありません。約15年前には、降ひょうでタバコが大打撃を受け、周辺でも皆無状態が続出し、うちもかなりの被害を受けました。
* そのほかにも、放棄地の増加などでサルの出没エリアが変わり、柿や水稲が食べ散らかされる被害を受けるようになりました。
* 上板の名産品でもある柿は、皆ほぼ個人出荷で補償制度は無く、野菜にしても出荷できて初めて対象となる制度が多いです。
* 近年の風水害のように、圃場そのものが被害にあった場合は廃業せざるを得なくなるため、さまざまなリスクに備えておく必要があると思い、収入保険への加入を決めました。
* もっと以前から収入保険があったとしたら、絶対入っていたと思います。単価が下がり、こんなに手間暇かけて作る意味があるのか自問しながら野菜作りをしたこともありました。急な病気で作業がままならなくなることも、努力だけでどうにもできない要因でうまくいかなくなることもあります。
* 思い切って作物を替えたときも不安がないわけではありませんでしたが、万が一のときに1年しのげるだけの補償があると思えば気持ちが楽になります。
* 早朝から遅くまで、シーズンは休みもなく作業をすることがあるのが農業。働きに見合った単価を確保して、生活を安定させられるようになり、築いてきたノウハウ・知恵を子どもの世代にも安心して伝えられるとなれば、みんなもっと後継者に農業を勧めて託していけると思います。