* 昨年、大阪府から神山町へIターンで移住し、研修生として農業に取り組む松本直也さん。「縁もゆかりもない地へ移住するということもあり、何度も何度も家族会議を開きました。また、近くの県の農家さんを何軒も訪ね、農業に対する家族の理解を得ていったんです」
* 前職で商品開発に携わっていた松本さんは、ものづくりの現場から次第に離れていってしまうことに寂しさを感じていたという。「自分が本当にやりたいのは、自分の手でものをつくり、それをエンドユーザーへ直接届けること。それを実感できるのは農業しかない」と就農を決意した。
* 「株式会社フードハブ・プロジェクト(神山町神領)の農業研修生募集のサイトを妻が見つけて勧めてくれたのが、今回の移住のきっかけになりました」
* 移住すると決めた時に、もう一つ決めていたことがある。地域コミュニティーとの関わりを大切にすることだ。地域の祭りや催しに参加し、地域の人と関わりを持つことで、相談ができる友人もできた。今では「周りの方がみんな親切なので、苦労は特にありません」と笑顔を見せる。
* 同町では今まで約240人が移住し、移住者たちを受け入れる土壌が育ってきているようだ。
* 松本さんは移住する前から徳島に興味を持っていたという。「四国は気候も良く、野菜栽培に向いており、徳島産野菜の評判は市場でもすごくいい」
* 来年には2年間の研修が終了し、そのまま同町で就農する。現在も取り組んでいるナスなど野菜の露地栽培から始める予定だ。
* 人生の新たなスタートを切った松本さん。自分の作った野菜で笑顔になってくれる人をいっぱいにするため、今日も汗を流している。
****写真説明=フードハブ・プロジェクトの圃場でナスを栽培する松本さん