・近隣農家からも仕入れ直営レストラン 水耕野菜で事業拡大へ

・近隣農家からも仕入れ直営レストラン 水耕野菜で事業拡大へ

藍住町で水耕栽培の野菜を生産する株式会社カネイファーム代表取締役社長・矢野正英さんは、ホテルでシェフをしていた中村豪起さんとの出会いをきっかけに、レストラン「農園直営旬感ダイニング・アクリエ」を2016年に開店した。「サラリーマンから就農する際、実家のナシ畑を水耕栽培ハウスに変え、今では1・4㌶。若い社員を育成しながら、約20種のレタスなど葉物野菜を栽培してきた。今年は新設した小規模ハウスで、暖房機なしで育つ果菜類を探求し、来年以降は本格的に果菜類の水耕栽培にもチャレンジしていきたい」と事業拡大に意欲をみせる。
◆弁当は月千個の注文
- 矢野さんとアクリエシェフマネージャーを務める中村さんとの出会いは、中村さんがシェフをしていたホテルだった。矢野さんが野菜の納品業者として出入りしており、「婚礼用にこんな野菜がほしいなどというと用意してくれて助かっていました」と中村さん。以来交流を続け、中村さんが独立しようとしたとき、自社作物や地元の野菜をふんだんに使った飲食店を、信用できる人と手掛けたいという矢野さんの思いが重なり、開店するに至った。
◆料理が販路獲得に
- 野菜は、カネイファームの作物をはじめ、近隣の農家10軒ほどからも仕入れている。中村さんは農家まで野菜の仕入れに行き、現場で話すことを大切にしているという。「変わった野菜を仕入れることで食べ方の提案ができるようにしています」。矢野さんは「実際の料理をバイヤーにアピールすることで農家の販路にもつながるんですよ」と話す。
- アクリエでは、既製品をなるべく使わず、手をかけて作っているため、現在のランチは月一度メニューを変えるコースだけ。少量多品目の野菜を使うための手立てでもある。その1カ月間は安定して供給してもらえる野菜でないと使えないので、頻繁に連絡をとることでメニュー作りに役立てているという。
- 開店してから1、2年は経営的に厳しく、既定路線が何もないところから飲食店を続ける難しさを思い知った。軌道に乗るきっかけになったのが弁当だ。
 「野菜をふんだんに使った出来たてのお弁当ということで、健康志向の方から評価をいただいています。最初は月40個から始まり、口コミで増えて、今は月千個ほど注文があります」と中村さん。「将来的には、コース料理などに特化した珍しい野菜の創作料理を提供できる店舗と、もう少しカジュアルに野菜を食べてもらえる店舗を展開していきたいですね」と話している。
 ▽農園直営旬感ダイニング・アクリエ(藍住町奥野和田119の1、電話088・678・2253)

写真説明1=水耕栽培の様子が見られる店内。「今年は狩猟免許を取得したので、ジビエにも取り組みたいです」と中村さん㊨。「安心して使えるものと、とがったものとを提案するようにしています」と矢野さん
写真説明2=野菜があふれるアクリエのグリーンサラダ