安全・安心のブルーベリーを生かして 6次産業を確立

安全・安心のブルーベリーを生かして 6次産業を確立

全・安心のブルーベリーを生かして6次産業を確立
徳島県美馬市 藤尾農園
人気の手作りパン/多彩な商品開発も

 美馬市脇町西大谷にある藤尾農園の藤尾良信さん、絹代さん夫妻は、農薬を使わずブルーベリー栽培に取り組む一方、パン工房を営み、生産から加工、販売まで6次産業を確立している。無添加に徹し、自信を持って勧めることができるまで追求した手作りパンは20種類。材料はブルーベリーを中心に、四季折々の味が楽しめる。

- 藤尾農園は標高400㍍に位置し、傾斜地農業に取り組んできたが、絹代さんのパン作りをきっかけに6次産業化へかじを切り、収益性を高めていった。
- 良信さんは51歳で早期退職してから本格的に農業に従事し、18年目を迎える。就農当時、畑を整地し、ハウス3棟9㌃を設置。夏秋はミニトマト、冬場はタラの芽のふかし栽培(ハウスでの促成栽培)のほか、ユズ20㌃、「愛宕柿」10㌃を作付けた。
- 絹代さんは、パン作り教室への参加を契機に自宅でパンを作り始めた。地元の道の駅の支配人に「このパンおいしいな、売ってみんで」と勧められたこともあり、販売を開始した。
- さらに、同市はオランダと縁が深く、国際交流員のレムコ・ライコフさんに出会い、オランダ風のパンを教わった。日本人の口に合う柔らかいパンに仕上げようと試行錯誤を重ね、現在のパンにたどり着いた。
- パンが人気を得ていく中、ミニトマト栽培に手が回らなくなったことや、ブルーベリーをパンに使いたいという絹代さんの希望で、作物をブルーベリーに転換した。現在は早生から晩生まで60品種550本を数え25㌃で栽培する。
 収穫は6月初旬から8月下旬まで、完熟して糖度が乗ったものを一つずつ丁寧に手摘みして、小粒はパンに、大粒は生果で出荷。それ以外は加工品に使う。
 「パンを手に取って喜んでいる子どもたちの姿を見ると、元気をもらえて製作意欲をかき立てられます」と絹江さん。売れ筋は、ブルーベリーロールパン、ブルーベリーとクリームチーズパン、よもぎ小倉あんパンなどで、美馬市の量販店や県西部の産直市で販売する。パン以外にもブルーベリーをふんだんに使用した商品を開発。特に濃厚なジェラートの人気が高く、ジャム、ワイン、リキュール酒などもある。
 また、地元に自生する山なすび(ナツハゼ)にはアントシアニンがブルーベリーの6倍も含まれていることに着目し、栽培に挑戦するなど研究に余念がない。

写真説明1=ブルーベリーを手摘みする藤尾さん夫妻。「主人は会社に勤めていたころから1週間に一度は土を触らないと休んだ気がしないようでした」と絹代さん
写真説明2=売れ筋のパンなどを前に絹代さん