_「牛によって乳質が違うので、出来上がりも変わってくるんですよ」と話すのは、三好市で酪農を営む藤丸清美さん。出産直後の母牛から取れる初乳を使用し、「牛乳豆腐」を作っている。
_牛乳豆腐はフレッシュチーズの一種で、生乳を加熱し、酢を加えて作る手軽な料理。初乳は出荷には適さないため、子牛に飲ませる以外の分は廃棄されるが、酪農家の間では自家製牛乳豆腐として利用され、市販の牛乳では出せないまろやかさや独特の風味があるという。
「そのままクラッカーにのせて食べたり、サラダと混ぜたり、水炊きに入れたりすることもありますね」と藤丸さん。「孫にも好評なので作るのに精が出ます」と笑顔を見せる。
_また、牛乳豆腐を作る過程で出る搾り汁は「乳清(ホエー)」と呼ばれ、非常に栄養価が高い。藤丸さんは「夏場は仕事の合間に砂糖を加えたものを飲むことで疲労回復に役立てているんですよ」と話す。
◆材料
牛乳……500㍉㍑(初乳を入手できない場合は無調整牛乳や低温殺菌のものでも可能)
酢……大さじ2杯(レモン汁などを使用しても風味の変化を楽しめます)
◆作り方
〈1〉鍋に牛乳を入れ、中火で加熱する。焦げ付かないようにかき混ぜる。
〈2〉泡が出始めて沸騰する前に火を止め、酢を加えてしばらく放置する。
〈3〉固まったらザルに布巾などを敷き、水気を取る。
※柔らかい牛乳豆腐を作る場合はガーゼなどで包み、自然に水が抜けるようにする。
_写真説明1=牛乳豆腐_写真説明2=牛乳豆腐を手に藤丸さん