植え付けから体験 楽しく収穫・和菓子作り
_徳島の地産地消について学ぶ食育プロジェクト「とくしまキッズファーマープロジェクト」では、取り組みの一環として、子どもたちが植え付けたイチゴの収穫と、そのイチゴで和菓子を作る体験を行っている。子どもたちは楽しい経験を積み、農園を提供した農家はプロジェクトに続けて参加することに意欲的だ。
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_徳島市大松町の枝川農園に集まった子どもと保護者は23組。出荷の規格に合わせて、280㌘から290㌘を収穫し、パックに詰めフィルムを張るところまで作業する。傷みやすいので丁寧に収穫し、美しく入れるようにと説明を受け、それぞれに収穫を始めた。
_枝川農園の枝川博嗣さんは「この取り組みを始めて7、8回目。イチゴの植え付けから携わることで、農家の苦労も知ってもらい、その分、よりおいしく食べられるようになるといいなと思っています。この体験が将来の種まきになり、後々は徳島県産のものを選んでくれたら一番うれしいですが、まずは自然に触れて育ってほしいですね」と話す。
_収穫後は徳島市二軒屋町の和菓子店「日の出楼」で「イチゴもなか」作りを体験。店主の松村清一郎さんは「これまでも定期的に参加してきましたが、子どもたちに菓子作りを体験してもらうのは今回が初めて。和菓子屋というと、どうしても敷居が高く思われがちなので、こうして作っているんだという体験を通して、もっと身近に感じてもらえたら」と期待する。
_一番乗りで体験をした上田龍信君は「植え付けから参加して一番楽しかったのは収穫。量ってみたら281㌘でピタリ賞まで1㌘だった」と話す。姉の華澄さんは、松村さんから100点と褒められ、「間引き作業は大変だったけれど、和菓子を作る機会も珍しくて楽しかった」とうれしそうな様子。
_主催者団体の一つ、NPO法人「ALIVELAB(アライブ・ラボ)」代表の上田啓人さんは「作物の植え付けから和菓子作りまで体験する機会はなかなかない。今後も、一貫して取り組むことで、自分たちが携わったものに愛着を感じてもらいたい」と話している。
写真説明上=「今後も続けられる限りはこのプロジェクトに参加したい」と枝川さん
写真説明中=自分たちが植えた場所でイチゴを収穫。「ぜんぶ楽しかった」と大浦すみれさん
写真説明下=松村さんからイチゴもなかの作り方を教わる上田華澄さんと龍信君