中山間地域の活性化へ杉材商品プロデュース

中山間地域の活性化へ杉材商品プロデュース

神山町  廣瀬 圭冶さん

_徳島県の山あいに位置する神山町に2012年、大阪から家族で移住した廣瀬圭冶さんがサテライトオフィスを開いた。廣瀬さんはキネトトスコープ社代表兼アートディレクター・デザイナー。
_「60年前に植えられた木が手入れされず密集し、大雨で災害を引き起こし、山自体の保水力が衰え、川の水量が年々減るなど、中山間地域が抱える問題を知って驚いた」_廣瀬さんは、地域の重要な水源地を再生するため、山の手入れに取り組み、間伐材を活用する「神山しずくプロジェクト」を開始した。神山の杉材を使い、タンブラーやカップなどをプロデュース、14年に販売を開始した。
_「杉の赤と白の木目を生かしたデザインが特徴で、保温性が高く、手に取ると驚くほど軽い。やわらかい杉の加工は高度な技術が必要で、県内の熟練したロクロ職人の手で一つずつ丁寧に仕上げている」 引き出物やギフト商品として、古民家のオフィスの軒先を改装した「しずくギャラリーショップ」のほかインターネットでの販売にも取り組む。
_「地域資源を生かした地場産業を生み出すことにもつながる活動を多くの方に知ってもらい、神山杉のブランド価値を高めるPRをしていきたい。活気ある神山町になれば」と話す。

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写真説明1=「材料は丸太から選ぶので、自ら山に入って杉を伐採している」と廣瀬さん
写真説明2=杉材のタンブラー。2015年ミラノ万博に出展した