_吉野川市美郷(みさと)地区が2008年に全国初の梅酒特区に認定されたのを機に、10年に大畠(おおばたけ)酒造を開業した杉友喜美子さんは、自家栽培のウメを使って、代々受け継がれてきた方法で梅酒を造っている。
_35㌃に7品種のウメを栽培し、5種類の梅酒を製造・販売している杉友さんのお薦めは「恋あかね」。甘口で濃い香りと赤色が特徴で、品種は「完熟露茜(つゆあかね)」と「南高」を半年熟成させた、割水無しの蔵出し原酒だ。「露茜は直径3.5㌢から5㌢と大きく、スモモのように果皮、果肉が赤く、すごく甘い香りがします」と杉友さん。
_3月に開花し、6月の中旬から7月中ごろまで収穫する。「露茜は害虫に弱く収穫量も不安定。消毒をせず、きれいな完熟の実だけを選別して使用します。地面に落ちたものは使いません」と話す。
_毎年11月下旬に美郷地区の五つの梅酒造を巡る梅酒祭りが開催され、県内外から大勢の人が集まりにぎわう。杉友さんは梅酒の他に梅干しや梅シロップ、梅ポン酢などの商品も製造し、各種イベントや物産館、ネットで販売もしている。
_今後の計画として、夫の善一郎さんは「今年で酒造りは7年目。当初から販売している『純情梅酒』『ほたるの宿』のデザインをリニューアルしたいと考えています。アルコール度数25度の梅酒造りにも挑戦したい」と話してくれた。
▽問い合わせ先=大畠酒造電話0883(43)2275
▽ホームページ=http://www.oobatake.com
写真説明左=杉友さん夫妻。看板は善一郎さんの手作り。店内で飲酒もできる
写真説明右=甘い香りと赤色が特徴の「恋あかね」。商品は全て杉友さん夫妻が命名している
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