_神山町の粟飯原一さんは「地域の方々に何か恩返しができないか」という思いから定年退職後、私財を投じて多目的利用を目指した施設「てくてく栗生野(くりうの)」を2016年11月にオープンし1年を迎える。
_てくてく栗生野をスタートさせる時に「地域の方がどんなことにでも利用できるように飲食店営業、惣菜(そうざい)製造業、菓子製造業、清涼飲料水製造業、簡易宿泊所の許可を得た」と話す。
施設建設も補助金に頼らなかったため、建設費の半分しか賄えなかったが、敷地造成や図面作製を自分で行い、粟飯原さんの意思をくんでくれた知り合いの大工から内装工事の仕方などを教わりながら、3年がかりで「てくてく栗生野」を完成させた。
_現在は、町内での6次産業化を目指す産品の製造所や、高齢者介護予防事業でのイベント場所に活用され、飲食店、宿泊など充実した設備で好評を得ている。
_「集まってくれた方々が笑顔で帰ってくれるのを見るのは本当にうれしい。少しでも地域の活性化につながってくれれば」と妻の百合子さん。粟飯原さんは「こういった活動を永続的に引き継いでくれる体制になるよう、法人化を目標にやっていきたい」と話してくれた。
写真説明=「てくてく栗生野」の前で粟飯原さん夫妻
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