サマーアミーゴ 夏秋イチゴに充実

サマーアミーゴ 夏秋イチゴに充実

東みよし町の平松雄太さん(29)は、県西部の標高約900㍍にある水の丸地区で2014年春から新規就農者として、高冷地の涼しい気候を生かした夏秋イチゴ「サマーアミーゴ」を約12㌃のハウスで栽培している。

東京でサラリーマンをしていた平松さんは、SNSのフェイスブックで農業関係の記事を見て農業に興味を抱いたという。新しいことをしたいという思いが募り約6年間のサラリーマン生活に終止符を打ち、イチゴ栽培に挑戦することに。
実家は岡山県で、ブドウとモモの栽培農家。農業は身近な存在だった平松さんだが、「イチゴ栽培に関しては初めてだったので、就農当初は水の丸いちご生産組合に栽培方法をはじめとして育苗や温室管理、病虫害の防除方法など一から教えてもらいながらでした。初めて収穫を迎えた時は感無量で、農業は本当に奥深いものと感じました」と振り返る。
「思い通りにいかなかったこともたくさんありましたが、うまくいったときは心からうれしかったです。今では最初のころより栽培も慣れ、順調に収穫できるようになりました」と笑顔。
標高約900㍍にある水の丸地区は、台風襲来時による暴風や大雪による倒壊など、さまざまな自然災害に見舞われる。「特に2年続いての大雪は大変でしたが、今ではその時の災害の経験を生かしてハウスの中に補強用パイプを設置し、雪害対策をしています」と話す。
当初ここに就農する時に、いちご生産組合の組合員から園芸施設共済に加入するよう勧められ、初めて農業共済について知ったそうだ。
「栽培技術などは、頑張れば何とかなりますが、台風や大雪といった自然災害はどうにもなりません。今では園芸施設共済に加入していて本当に良かったと思っています。資材の高騰により出費がかさむ一方ですが、共済加入は必要だと実感しています」と強調する。
水の丸地区にはさらに新規就農者が増え、新たにいろいろなことを相談し合える仲間との共同作業に毎日が充実しているという。
今後は、「冬季の促成栽培にもチャレンジして安定した収入が得られるよう計画しています。慣れない仕事と自然災害は大変ですが毎日が楽しいので、これからもこの環境の中で頑張ってみます」と話している。