「天空ノ山茶」

「天空ノ山茶」

三好市山城町上名の川内孟さん(81)は、長年勤めたホテルを2003年に退職後、妻のヌイコさん(81)と一緒に「天空ノ山茶」作りに取り組んでいる。 同町は、水はけの良い急な斜面と、霧が発生しやすい気候が茶の生育に適しており、古くから茶の栽培が盛ん。この山茶は、標高300㍍以上の山間傾斜地に自生しているもので、5~6種類をブレンドしたものだ。 孟さんは、「お茶の栽培種『やぶきた』の販売が不振になり、不安を抱いていたところ、13年に三好市ブランド構築委員会で選定され、天空ノ山茶ブランドとして販売することになった」と話す。 山のカヤを敷き詰めるだけの自然農法で作られ、山茶の一番茶だけを手で丁寧に摘み取っている。二番茶は茶樹のために残しているという。「化学肥料や農薬は使っていません。使うと香りが無くなり風味が落ちてしまうんです。この山茶の特徴は、花の香りがわずかに感じられ、さっぱりとした甘い香りがして、渋味が穏やかで飲みやすいところ。普段の生活で飲む温かいお茶としてお薦めしています」とヌイコさん。 自然農法と希少性が評価され、日本茶AWARD2014で「うまいお茶部門審査員奨励賞」を受賞した他、「経済産業省ふるさと名物」にも選ばれたことが励みになっているという。 川内さん夫妻は「山茶の栽培面積を増やして、山茶をもっとPRしていきたい。同時に観光ガイドや民泊受け入れなどの活動にも力を注いでいきたい」と意欲的に話してくれた。