カテゴリー別アーカイブ: 新聞(共通)

〈輝く女性たち〉 自家産小麦を加工品に パン教室も楽しく

___ 竹中 直美さん (徳島県美馬市脇町)

_自家産の小麦などを製品化して販売する会社「実森(みもり)ラボラトリー株式会社」を2018年1月に仲間と立ち上げ、4月に国の6次産業化認定を受けた。11月からは社内に教室用のキッチンを整備し、パン教室を開くなど精力的に活動している。
◆    ◆
――きっかけは?
 _もともとパン作りが趣味で、夫(均さん=46歳)が経営する「はなみち農園」で、麦を栽培してパンに使う小麦粉ができないか持ちかけたところ、小麦を栽培してくれることになりました。現在はその麦を使って小麦粉やパンケーキミックスを製品化して、道の駅や知り合いの喫茶店で販売しています。
――苦労したことは?
_強力粉に入っているグルテンがパンを膨らます成分なのですが、その量が少ないのか、最初の1、2年は全然膨らまずパンになりませんでした。それを改良していくのが大変でした。
――やりがいは?
 _ママ友さんたちと「やっぱり子どもたちには安全・安心なものを届けたいね」という話をしていて、パンケーキミックスを作る際は、鳴門産の塩、サトウキビの砂糖、ベーキングパウダーはアルミフリー(食品添加物アルミニウムやその化合物を含む原材料を使用していないもの)と素材に気を使っています。そういった商品をおいしいといってリピートしてくれるとやっぱりうれしいです。パン教室でワイワイにぎやかにできるのも楽しいですね。
――今後の目標は?
 _自分が作ったパンや焼き菓子を販売していきたいです。

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写真説明=商品化した小麦粉とパンケーキミックス、ソバ粉を使ったシフォンケーキを前に竹中さん

新規就農でキュウリ栽培 技術を身に付け安定出荷へ

徳島市 大久保誉大さん・迪子さん

_「親戚がハウスでキュウリを栽培していて、以前から空きハウスがあると聞いていました。勤めながら農業に携わるのもいいなと思っているうちに、支援金を受けられる年齢制限も迫ってきたので、今年3月に退職し、就農しました」と話すのは、徳島市多家良町の新規就農者・大久保誉大さん。
 _現在、妻の迪子さんとともに、10㌃のハウスでキュウリ栽培に取り組んでいる。「休みの日には子どもたちも手伝ってくれるんですよ」と迪子さん。
 _夫妻ともに初めての農業だが、キュウリ栽培を50年以上続けてきた親戚が近くにいるので、誉大さんは3日と空けず通ってさまざまなことを習うという。迪子さんは「通りすがりに声をかけて、様子をみてくれる方たちもいてありがたいです」と話す。
_誉大さんは「とかく大規模経営へと目が向けられがちですが、小さな農家でもちゃんと稼いでやっていけるということが、これからの農業を支えていくことになると思うので、まずは一人前の技術を身に付けて安定した出荷を保てるよう努めたいです」と意気込む。

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写真説明=「嫁さんのおかげで就農に踏み切れました」と誉大さんと迪子さん

 

 

 

 

 

 

〈人生楽しく〉 自主制作テレビ番組 地元の魅力を伝えたい

近田 大介さん   プロフィル◇40歳◇ハウスイチゴ26㌃、水稲50㌃◇那賀町

――テレビ番組を制作しているんですね。
_「かきまぜTV」という名前で自主制作しているテレビ番組です。2年前から地元ケーブルテレビで放映してもらっています。30分の番組ですが、企画から取材、編集まですべて商工会青年部と町内の若手有志で制作しています。

――見どころは?
_地元で働く人を紹介する「仕事人(しごとびと)」という企画が人気です。日常の仕事ぶりや本人へのインタビューを通して、視聴者に自分たちの地元である那賀町の魅力を改めて感じてもらおうというのが狙い。仕事人自身の個性や地元への思いを引き出しているので見応えはあると思っています。

――楽しみは?
_人との出会いです。僕自身会話することが好きなので、番組ではインタビュアーをしているのですが、取材先でおもしろい話が聞けたり、新しい発見があるとうれしいですね。
いろんな人と話をすることによって、自分が今どんな考えを持っているのか再確認できたりもします。なかでも、拝宮(はいぎゅう)和紙の職人さんへの取材が一番思い出深くて、職人になろうと思ったきっかけや地元への思いにめちゃくちゃ共感できて感動したことがあります。

――今後については?
_月に1本とはいえ、テレビ番組を作るのはとても大変です。本業の合間に取材に行ったり、夜中まで打ち合わせをしたり。特に編集にはいつも悩まされますが、もともと芸術やデザインには興味があったので楽しんでやっています。
_編集の少ないラジオ番組をいつか始めてみようかとあれこれ頭の中で模索中です。

写真上=「人との出会いが楽しみです」と近田さん
写真下=「かきまぜTV」。中央が近田さん

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達磨キウイ 国内外で高まる需要  手間かけて4Lサイズに 増産・輸出拡大へ 

_佐那河内村産キウイフルーツのオリジナルブランド「達磨(だるま)」は、1果175㌘以上の4Lサイズの大玉果だ。2011年から、8玉で約1・4㌔1箱を「達磨キウイ」として販売。高級フルーツとして、台湾や中国の旧正月(春節)に向けて輸出され、需要が高まっている。


_JA徳島市佐那河内キウイフルーツ部会の副部会長を務める渉 賢治さんは、キウイ栽培35年。妻の純子さんと二人で、14㌃の園地で「ヘイワード」を栽培するほか、ミカン、ユズ、スダチなども栽培している。 10月末から11月中旬までキウイフルーツの収穫最盛期を迎える渉さんは、「収穫時に実が落ちないようにコンテナを積み上げ、直接入るようにして気を付けている。傾斜地での作業は、高齢になるとできんようになってくるなあ」と話す。
_収穫したキウイフルーツの半分は、すぐにJAに出荷。残り半分は自宅の冷蔵庫で2月まで保存管理して、成熟させてからJAに出荷する。 「年間収量が約5㌧あるうち、達磨キウイの収量は約200㌔だけ。1月から2月に剪定作業を行い、摘蕾や人工授粉、摘果作業を行うが、一つずつ手作業なので大変。特に達磨のように大きくなるには、これらの手間をかけた上に、水管理や日当たりが大事な要因ではないか」と渉さんは分析する。
_現在、キウイフルーツ部会の会員は約40人。達磨キウイの割合は、全生産量のわずか約1・2%と少ない。
_今後の展開について、JA徳島市南部営農経済センター果樹選果場(佐那河内村)の日開潤課長は次のように話している。 「大阪、関東の都市部を中心に出荷しています。1果100㌘から115㌘のMサイズが1㌔300円で取引されるところ、4Lの達磨は1㌔約1700円と高値です。また、台湾や中国では高級フルーツとしての需要が年々高まっています。摘果や日当たりなどのさまざまな条件、栽培技術を農家の方と勉強しながら、達磨キウイの生産増を目指し、海外への出荷を増やしていきたい」

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写真上=キウイフルーツを収穫する渉さん夫妻
写真下=国内外で高級フルーツとしての需要が高まる達磨キウイ(写真提供=JA徳島市南部営農経済センター)

 

8月播種、2~6月出荷 市場価値高めるトルコギキョウ

石井町 小松敏峯さん

_市場の方や、お客さんの喜びの声を手紙や電話で聞くことがうれしい」と話すのは、石井町でトルコギキョウを栽培する小松敏峯さん。就農当初は野菜を主に生産していたが、自身の将来や労働力確保などを考え、さまざまな人が就労しやすい花き栽培に約25年前から取り組んでいる。

_現在、55㌃のハウスでトルコギキョウを栽培。8月に播種し、冷房設備のあるハウスの中で定植まで管理する「クーラー育苗」を導入している。日中はもとより夜温にも気を付け、こまめに遮光や温度調整を行う。秋に定植し、2~6月に出荷する。
_小松さんは「種と苗のコスト高や育苗の難しさというリスクはあるが、あえて取り組むことで花の価値を高め、よりよいものを生産できる」と話す。県内外の市場に出荷しているため、配送コストや市場価格などを常に把握することが欠かせないという。
_ 「自分の花が認められ、その花で販売先も利益をあげて喜んでもらえる。社会に貢献できたと感じられ、それが励みになる」と小松さん。今後は新しい栽培方法にも取り組みたいと意気込んでいる。

 

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写真説明=「思い切った面白味のある花き栽培をしてみたい」と小松さん

ホウレンソウの周年水耕栽培

細心の管理、新たな作物に意欲

_「いろいろな野菜に挑戦してみたい」と話すのは、阿波市市場町でホウレンソウとミズナの水耕栽培を行っている松永幸二さん。周年でホウレンソウの水耕栽培に取り組む農家は、県内では松永さんを含め2軒だけだ。
_農業資材関連の企業で栽培用プラントなどを販売していた松永さんは、販売先の農家を見ているうちに、自分もやってみたいと思うようになり就農。水耕栽培を始めてちょうど20年目、現在は12㌃のハウスでホウレンソウをメインに、年間約8・5㌧の出荷に汗を流している。
_病害対策や肥料の使い分け、温度管理には特に気を使っているという。「日々の作業の中で、季節ごとに細かな調整を加えていろいろ試しているが、生き物と同じで決まったように生産できるわけではない。常に気にかけていないといけないために予定が立てにくい部分はあるが、それでもきれいな野菜がたくさんできるとうれしい」
_新しい作物の栽培にも意欲的で、「楽に作れて、いっぱいもうかるものがあったらいいのになあ」と笑顔で話す。

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写真説明=「生産方法に試行錯誤しました」と松永さん

産直20カ所へ米と野菜出荷 売り上げ年々上昇

自ら配達して陳列を工夫   購買層に合わせた品ぞろえ

_「農業が楽しくてしょうがない。でも無理せず、自分や家族のペースを大切にやっていきたいですね」と話す阿南市中林町の粟飯原勝さん。家族4人とパート従業員3人で、水稲34㌶、キャベツ、ブロッコリーなどの露地野菜2㌶、ハウスで水稲育苗以外の時期に野菜を数種類栽培している。米や野菜の販売方法を工夫し、売り上げは年々上昇しているという。

_粟飯原さんは、33歳のときに会社員を辞め実家の農業を継いだ。10年ほど前、稲作がほとんどだった栽培形態から露地野菜の作付面積を増やした。 「経営は米が主力。年々下がる米価の対策として、施肥量や施肥回数を抑えられる肥料へ切り替え、大量に発注することで経費を抑えるなどしています」

◎視察で売れ筋チェック
_米や野菜の出荷は、JAのほか約20カ所の産直などで積極的に販売する。自ら配達することで、商品の陳列を工夫することができるからだ。また、独自制作したシールを貼って見た目も重視する。年に何度も県外の産直やスーパーへ出向き、何が売れているか、どうすれば売れるのか観察しているという。
「産直の立地や購買者層のことも考えます。例えば大学が近い場所なら、学生さんが買いやすい米は精米をした1㌔入りだろうなとか。そのために米袋の規格を、30㌔入りのほか、1、2、3、5㌔入りにしています。野菜については、小型が売れるような場所にはそういった大きさのものを出したり、珍しい野菜を置いた方が良さそうな場所にはそれを置いたりという工夫はいくつもしています」
_こういった取り組みが功を奏し、産直に出す商品の売り上げは年々上昇しているという。

◎農業の楽しさ伝えたい
_農業で自立を目指す若者が集まる会(阿南市主催)にも積極的に参加して交流を深める。「新規就農者が集まる会では、農業の現状や自分の売り上げなどありのままを話します。一番伝えたいのは、今、自分が本当に楽しんで農業をしているということ。そうやって若い人たちに言うのも僕ら世代の役目でしょう」
_「天候に左右され、賭けのような要素もあるし、農業を取り巻く状況は厳しいかもしれませんが、やり方次第で道は開けると思うんです。遠回りでもいい、楽しみながらゴールにたどり着けたらそれが一番ですよ」と話してくれた。20181002-1 20181002-2

写真説明上=ブロッコリー畑で粟飯原さん。「次世代に農業をつないでいく取り組みにも力を入れたい」という
写真説明下=産直の立地や購買者層のことも考え、精米した米を1㌔単位で販売

 

〈魅力ある農業に挑戦〉 東京五輪に「美ーナス」  基準をクリア、着々と準備

_2020年オリンピックが東京に決定した次の日に、『美ーナス』をオリンピックに納品することを目標設定しチャレンジを決めました」と話すのは、阿波市阿波町の武澤豪さん。15㌶で美ーナス(翡翠〈ひすい〉ナス)をはじめとした野菜や水稲などを栽培している。阿波市の若手農業後継者が中心となり、同市の魅力を農産物でPRする生産グループ「GOTTSO阿波(ごっつぉあわ)」のメンバーで、阿波市観光協会理事や阿波市議会議員も務めている。
_武澤さんは金融機関に勤務していたが、父親の病気を機に後を継ぎ就農した。「たまたま農業をしていたので、野菜で食育・町おこしをして阿波市を有名にすることと、若い農業者の意見を取り入れていくシステムを作り、GOTTSOブランドの確立を目標にしてきた」
_「グループ行動には目標があることが大事。今は、20年東京オリンピック・パラリンピックの選手村に美ーナスを納品して、世界中の人に食べてもらうことが夢」と意気込む。
_オリンピック選手村の食堂で提供できる農産物の基準は、安全性に関する生産管理の国際規格「グローバルGAP」、アジアGAP、農林水産省の農業生産工程管理(GAP)のガイドラインに準じた都道府県などの制度で生産管理が確認された作物としている。
_美ーナスは16年にこれらの認証を取得しており、内閣官房の東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部から納品についての具体的な説明を受け、着々と準備は進んでいる。 武澤さんは「これを機に、阿波市を代表する野菜としてもっと知名度を上げて、町の活性化と次世代に希望をつなげたい」と話す。

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写真説明=「美ーナスに続く商品の開発にも取り組んでいます」と武澤さん

 

スダチ 味・香りとも最高

_「味、香りともに最高のスダチができました」と話す勝浦町坂本の内谷安弘さん。スダチ30㌃、温州ミカン100㌃、ユズ20㌃、ユコウ20㌃を栽培している。
_県内の大学卒業後、大阪で自動車のパーツ開発の仕事をしていたが、「いつかは地元に帰って、祖父の果樹園を継ぎたい」との思いから6年前に帰郷した。
_1本の木に数百個の実がなり、枝にトゲがあるスダチ。収穫はやはり大変で、手伝いの数人と9月いっぱいまでに何とか完了する。収穫したスダチは選別し、冷蔵庫で貯蔵。10月中旬から11月末まで県内や京阪神に出荷される。
_「高品質を保つための冷蔵庫の温度調節が難しい。マニュアル通りにはいかないところが農業の難しさであり楽しさ」と内谷さん。「自分のペースで仕事ができ、自分の時間がしっかり取れるところが農業の魅力。地域の活動にも参加する機会が増えて、毎日が充実している」とやりがいを感じている。

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写真説明=「収穫時期が一年で一番楽しい」と内谷さん

需要期過ぎた夏秋イチゴを生かす 高校生がワインを商品化

_三好市の池田高等学校三好校では、地域活性化を目的として2017年から商品化に取り組んできた夏秋イチゴを使ったイチゴワイン「高原の煌(きらめき)」(500㍉㍑、税込み1500円)が完成。8月3日に食農科学科2年生野菜専攻の生徒5人が、西祖谷山村のJR大歩危駅構内で観光列車の乗客に試飲販売を行った。

_高原の煌は、東みよし町水の丸地区特産の夏秋イチゴを使った甘味果実酒で、さわやかな甘みとほんのり酸が残る飲みやすいイチゴワイン。本年度から一般販売までこぎつけた。
_夏秋イチゴの収穫は7月から12月までで、11月下旬以降はイチゴの需要が冬イチゴ(促成栽培)へと変わっていくため、夏秋イチゴの栽培を11月末で打ち切ることが多い。 指導に当たった同校の西條泰教諭は「12月の夏秋イチゴはほぼ需要が無い。需要が無くなった夏秋イチゴを購入し、ワイン用に利用することで、生産者にとってもメリットがあると考えます」と話す。

◎ラベルに産地を表現
_生徒は年1、2回ほど苗の手入れなどの農作業を手伝う。ワインの醸造は、香川県さぬき市の「さぬきワイナリー」に委託した。冷凍保存したイチゴをワイナリーに運び、5月から醸造し7月に完成。今回はイチゴ約70㌔を使い、約300本のワインが製造できた。 ラベルのデザイン考案、瓶詰め作業やラベル貼り、ボトルキャップの取り付けなどは生徒たちが行った。ラベルのデザインについて「水の丸の標高千㍍にイチゴがなっているようなイメージで作りました」と生徒は話す。

_高原の煌は池田町の「NATAN葡萄酒専門店」で販売を始めた。「製造数を増やし、祖谷地域の宿泊施設で採用してもらえるよう営業活動ができれば」と西條教諭。今後の展開については、「高原の煌は継続して製造し、本年度は新商品としてスパークリングイチゴワイン『高原の煌Sparkling』を広島県の福山ワイン工房に開発依頼し、製造する予定です。また、今回同様に11月、3月にJR大歩危駅での販売活動を考えています。県内外の多くの方に高原の煌をPRしていきたい」と話している。
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写真説明上=高原の煌を試飲する観光客ら。
写真説明中=試飲販売を行う池田高校三好校の食農科学科2年生野菜専攻の生徒。学校で栽培したイチゴとブルーベリーを使った生徒たちの手作りジャム「ベリー・ベリージャム」も販売。
写真説明下=ラベルは標高千㍍にある水の丸地区の夏秋イチゴをイメージして作られた。