カテゴリー別アーカイブ: 新聞(共通)

ブロッコリーを柱に拡大と法人化に意欲

徳島県吉野川市 安部 健司さん

効率化へ大型農機導入
出荷箱変更で鮮度維持

_農業を継ぐために脱サラし、2017年1月に独立した吉野川市山川町の安部健司さん。「農作業をする祖父や父の姿を見ていたので、農業を継ぐことには抵抗はなかったし、魅力を感じていた」と話す。現在、ブロッコリー2㌶を中心に、米(主食・飼料用米)3・8㌶、白ネギ10㌃、そのほかトウモロコシ、ナスなどを栽培。大型機械を導入し、規模拡大と法人化を目指している。

_安部さんは36歳まで県外で働き、徳島に帰ってきてからも勤めながら農業を手伝っていた。「ブロッコリー栽培のために農機具を購入したが、一日頑張って植えても20㌃程度。1日1㌶植えられる大型機械の導入を予定している。植えるスピードが速まる分、今年から面積を3~4㌶へ増やしていきたい」
_現在、JA麻植郡ブロッコリー部会副部会長の安部さんは、主にJAと産直市に出荷している。 「ブロッコリーは水分を保つ必要があり、段ボール箱に詰めて出荷していたが鮮度が落ちるのが早く、ほかの地区を参考に、発泡スチロール箱に変えるようJAにお願いしたら協力してくれた」。発泡スチロール箱にブロッコリーと氷を入れて出荷すると鮮度が格段に上がり、市場も「これなら高く売れる」と喜んでいるという。
_安部さんは、吉野川市農業後継者会にも所属する。「昔の農家は横のつながりがなかった。後継者会や近所の同世代の方との情報交換が大事。やり方を聞いてお互いを刺激できて楽しいし、先輩もいて相談し合えるのがいい。分からないことははずかしいことではなく、聞くことが大事だ」
_ブロッコリーの収穫は、9月中旬から6月上旬までで、今の時期の品種は「アーサー」が2月まで、3月からは「クリア」の収穫が始まる。 安部さんは「夏場の高温期は、ブロッコリーの形が乱れ、色がきれいな緑にならない。夏季はトウモロコシやナスを栽培している。今年からオクラも栽培しようと考えている」と話す。 さらに「法人化を目指している。栽培面積を増やして、人が雇えるようになれば販路拡大も期待できる。農家って大変だろうと心配する人もいるが、やればやるだけ返ってくるものだ。今は、高校生と中学生の息子2人が合間に手伝ってくれるので助かっている。農業の良さを伝えたい」と笑顔で話してくれた。

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写真説明=山川町の山瀬小学校の児童約60人が手植えと機械植えを体験したブロッコリー畑。もうすぐ収穫時期を迎える

 

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写真説明=「発泡スチロール箱にブロッコリーと氷を入れて出荷すると鮮度が格段に上がった」と話す安部さん

 

 

 

〈旬の味もう一品〉 切り干し大根のかきまぜずし

徳島県上勝町 野田由香さんが紹介

_「切り干し大根は、大根突きで作ったものと、小口切りの2種類を作っています」と話す上勝町の野田由香さん。小口切りの切り干し大根は、自宅で食べるかきまぜずし用で、突いたものより歯応えがあるのが野田さん好みだという。
_切り干し大根は、1週間くらい天日干しすると水分が減り、うま味や栄養が凝縮される。旬の時期には、地元の産直市に出品するほか、地元の保育園や小・中学校の給食にも使用されているという。
_野田さん宅でも、この時期、切り干し大根を使った一品がよく食卓に並ぶ。「かきまぜずしは、切り干し大根だけでなく、ニンジン、ユズ酢、米も自家製です。煮つけにも入れますが、作るときには多めに作ってしまいますね。野菜は大きいものより小ぶりなものが好まれるようなので、ニーズに合わせたものを栽培しますが、自分で料理するときには盛りだくさんにしてしまいますね」と笑顔で話してくれた。

◎レシピ
◇材料(約6人分)
〈酢飯〉
米……5合
ユズ酢……100cc
塩……大さじ1程度
〈具材〉
切り干し大根……乾燥した状態のもの100㌘(水で戻して倍量くらいになったものを使う)
ニンジン……3本
平天(練り物、天ぷら)……5枚
〈調味液〉
しょうゆ……100cc
みりん……20cc
砂糖……25㌘
酒……少々
ダイコンの葉……塩ゆでして、みじん切りにしたもの……適量

◇作り方
(1)具材を適当な大きさに切り、調味液で炊く。
(2)米を炊き、ユズ酢・塩を加え、酢飯を作る。
(3)(1)と(2)を混ぜ、ダイコンの葉をちらす。

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写真説明上=かきまぜずしには「おでん大根」を小口切りにした切り干し大根を使用
写真説明下=大根突きで作ったもの(左)と小口切りの2種類の切り干し大根を手に野田さん

 

イチゴ早生品種「よつぼし」 種子繁殖型で大幅に省力化

阿南市 植田 豊治さん

_阿南市福井町の植田豊治さんは、2014年産からイチゴの早生新品種「よつぼし」に切り替えて4年目。省力化を求めて導入し、約17㌃のハウスで、主に妻の友子さんと栽培している。
_よつぼしは、従来の栽培方法とは違い、親株からランナーを増殖させて定植株を確保する栄養繁殖栽培ではなく、種子や購入した苗から定植株を確保する種子繁殖と呼ばれる品種だ。
_種子繁殖は、栄養繁殖栽培のデメリット(前年から親株を保管、増殖させる難しさや時間的労力、ウイルスや病害虫の伝染リスク)を大幅に減らせる可能性が高いと期待されている。
_植田さんは「なんといっても、親株を確保していく手間が減ったのが大きな利点。例年なら5月には次作の取り掛かりが始まっていましたが、よつぼしは7月からで大丈夫。あとは花芽分化もしやすく分化時期も早いので、適期に定植できれば収穫は11月半ばまでには開始できます」と話す。
_これからのイチゴ栽培が大きく変わっていくかもしれない種子繁殖型品種に、植田さんは確かな手応えを感じている。

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写真説明=「親株を確保していく手間が減ったのが大きな利点」と話す植田さんと友子さん

中山間地域の活性化へ杉材商品プロデュース

神山町  廣瀬 圭冶さん

_徳島県の山あいに位置する神山町に2012年、大阪から家族で移住した廣瀬圭冶さんがサテライトオフィスを開いた。廣瀬さんはキネトトスコープ社代表兼アートディレクター・デザイナー。
_「60年前に植えられた木が手入れされず密集し、大雨で災害を引き起こし、山自体の保水力が衰え、川の水量が年々減るなど、中山間地域が抱える問題を知って驚いた」_廣瀬さんは、地域の重要な水源地を再生するため、山の手入れに取り組み、間伐材を活用する「神山しずくプロジェクト」を開始した。神山の杉材を使い、タンブラーやカップなどをプロデュース、14年に販売を開始した。
_「杉の赤と白の木目を生かしたデザインが特徴で、保温性が高く、手に取ると驚くほど軽い。やわらかい杉の加工は高度な技術が必要で、県内の熟練したロクロ職人の手で一つずつ丁寧に仕上げている」 引き出物やギフト商品として、古民家のオフィスの軒先を改装した「しずくギャラリーショップ」のほかインターネットでの販売にも取り組む。
_「地域資源を生かした地場産業を生み出すことにもつながる活動を多くの方に知ってもらい、神山杉のブランド価値を高めるPRをしていきたい。活気ある神山町になれば」と話す。

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写真説明1=「材料は丸太から選ぶので、自ら山に入って杉を伐採している」と廣瀬さん
写真説明2=杉材のタンブラー。2015年ミラノ万博に出展した

安全・安心・高品質 輸出に挑戦 将来は現地生産も

徳島県小松島市 サンマッシュ櫛渕協同組合

_生シイタケ生産量日本1位の徳島県。年間生産量約8400㌧のうち、小松島市は市内にある三つの組合で3千㌧を生産、県内有数の菌床栽培による生シイタケの産地だ。
_サンマッシュ櫛渕(くしぶち)協同組合(6㌶、年間生産量1500㌧)の代表理事・浜田光且さんは、約6年前から大型シイタケ「天恵菇(てんけいこ)」を栽培し、関東市場への出荷のほか、米国へ輸出している。
_「県やジェトロ(日本貿易振興機構)の支援を受けて、少量ですが、3年前から天恵菇を定期的に米国へ輸出しています」と浜田さん。「生シイタケは発熱する性質なので、輸送時は発泡スチロールに入れて予冷処理をするなど鮮度保持が重要です。コストはかかりますが、海外でも日本食は人気で、日本産のシイタケは品質が良く安心して食べられると好評です」
_天恵菇は通常のシイタケの約10倍の大きさで肉厚、うま味成分が約3倍含まれているのが特徴。普通サイズのシイタケは菌床1個で約1㌔の収穫量だが、天恵菇はその半分、年間の生産量は10㌧以下だという。 「シイタケ栽培で一番大事なのは培地作りです。小麦ふすまなどの栄養体や菌の生育管理、温湿度が重要。国産原料にこだわった菌床で、高品質で安定したシイタケ作りをこれからも目指し、将来は海外での現地生産ができたら」と浜田さんの挑戦は続く。

写真説明上=「より良い品質のシイタケ作りを目指します」と浜田さん
写真説明下=天恵菇は1パック2個入り。市場価格は約800円から900円

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合格祈願きっぷ購入者に紅白もち無料配布

吉野川市「かわしま未来塾」

_吉野川市川島町の「かわしま未来塾」は、主に地元出身者や川島町にゆかりのある人が参加してイベント活動を行い、地域の活性化に取り組んでいる。代表者の明石眞和さんは「2018年から活動を始めた。昨秋に川島ふるさと祭りを15年ぶりに復活させ、約5500人が来場して盛況だった」と話す。
_かわしま未来塾の2回目の活動として、19年1月1日から3日にかけてJR四国の学駅(吉野川市川島町学)で、「合格祈願きっぷ」購入者に地元産のもち米を使用した「合格祈願紅白もち」を無料で配布するイベントを行った。
_合格祈願きっぷは、学駅が発売する入場券5枚(御入学)とお守り袋をセットにしたもので、受験生に人気のお守り。12月31日に構成員約40人が餅つきをして準備した合格祈願紅白もちは、初日に千人ほどに配布、受験を控えた学生やその家族、県外からも多くの人が訪れ、用意していた2千パックは3日の昼には配り終えた。
_明石さんは「川島町の活性のために今後も活動を続けていけたら」と話している。

写真説明上=合格祈願紅白もち
写真説明下=「頑張ってね」と声をかけられて紅白もちを受け取る学生ら
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売り切れ必至「いちごトマト」 糖度8度以上を厳選

徳島県阿波市  大野 稔之さん

手入れと目配り徹底/県内外にリピーター

_阿波市市場町の大野稔之さんが栽培するオリジナルブランド「いちごトマト」は、糖度8度以上の高糖度フルーツトマト。農産物直売所「JA夢市場」(市場町大野島)では、店頭に並ぶとすぐに売り切れてしまうほどの人気商品だ。

_「十数年前に脱サラし、農業の大先輩である父に教わりながら就農した」と話す大野さん。家族4人で30㌃のビニールハウスでいちごトマトを栽培している。 _いちごトマトを初めて出荷するときに、ネーミングについて家族で話し合った際、母親の「真っ赤でイチゴみたいな形をしとるね」の一言から命名した。糖度の検査をしながら、8度以上のものをいちごトマトと限定。例年11月から6月ごろまで出荷が続く。
_栽培では「基本通り、収穫して手入れしてという作業の繰り返しだが、成長スピードが速い品種なので、こまめな手入れと目配りを欠かさないようにしている」という。 「病気が発生すると派生的に影響が及ぶので、収穫期は特に病気の兆候がないか気を配っている。色づきを見ながら熟成のタイミングを計るが、光の加減などで色みの判断が難しく、最初のころは慣れるまで父に怒られたこともあった」

◎販売整理券を配布
_JA夢市場では朝から並んで買いに来る人もいて、週末は販売整理券を配布することもあるという。県内外のリピーターによっていちごトマトの認知は広がっている。大野さんは「県南や他県からも足を運んでくれたという話が励みになる。うちのトマトが好きと言ってくれる方のためにも、味を落とさないようにしたい」と意気込む。
_大野さんは、夏場は阿波市の若手生産者メンバーたちと特産「美~ナス(翡翠〈ひすい〉ナス)」も栽培。「農産物を通じて阿波市のPRができて、農業、地域が元気になるとうれしい。地元でこれからも長く愛されるように、誠実に頑張っていきたい」と話している。

写真説明上=イチゴのように赤くつやのある「いちごトマト」を手に大野さん
写真説明下=色づきを見ながら出荷のタイミングを計る大野さん

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〈輝く女性たち〉 自家産小麦を加工品に パン教室も楽しく

___ 竹中 直美さん (徳島県美馬市脇町)

_自家産の小麦などを製品化して販売する会社「実森(みもり)ラボラトリー株式会社」を2018年1月に仲間と立ち上げ、4月に国の6次産業化認定を受けた。11月からは社内に教室用のキッチンを整備し、パン教室を開くなど精力的に活動している。
◆    ◆
――きっかけは?
 _もともとパン作りが趣味で、夫(均さん=46歳)が経営する「はなみち農園」で、麦を栽培してパンに使う小麦粉ができないか持ちかけたところ、小麦を栽培してくれることになりました。現在はその麦を使って小麦粉やパンケーキミックスを製品化して、道の駅や知り合いの喫茶店で販売しています。
――苦労したことは?
_強力粉に入っているグルテンがパンを膨らます成分なのですが、その量が少ないのか、最初の1、2年は全然膨らまずパンになりませんでした。それを改良していくのが大変でした。
――やりがいは?
 _ママ友さんたちと「やっぱり子どもたちには安全・安心なものを届けたいね」という話をしていて、パンケーキミックスを作る際は、鳴門産の塩、サトウキビの砂糖、ベーキングパウダーはアルミフリー(食品添加物アルミニウムやその化合物を含む原材料を使用していないもの)と素材に気を使っています。そういった商品をおいしいといってリピートしてくれるとやっぱりうれしいです。パン教室でワイワイにぎやかにできるのも楽しいですね。
――今後の目標は?
 _自分が作ったパンや焼き菓子を販売していきたいです。

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写真説明=商品化した小麦粉とパンケーキミックス、ソバ粉を使ったシフォンケーキを前に竹中さん

新規就農でキュウリ栽培 技術を身に付け安定出荷へ

徳島市 大久保誉大さん・迪子さん

_「親戚がハウスでキュウリを栽培していて、以前から空きハウスがあると聞いていました。勤めながら農業に携わるのもいいなと思っているうちに、支援金を受けられる年齢制限も迫ってきたので、今年3月に退職し、就農しました」と話すのは、徳島市多家良町の新規就農者・大久保誉大さん。
 _現在、妻の迪子さんとともに、10㌃のハウスでキュウリ栽培に取り組んでいる。「休みの日には子どもたちも手伝ってくれるんですよ」と迪子さん。
 _夫妻ともに初めての農業だが、キュウリ栽培を50年以上続けてきた親戚が近くにいるので、誉大さんは3日と空けず通ってさまざまなことを習うという。迪子さんは「通りすがりに声をかけて、様子をみてくれる方たちもいてありがたいです」と話す。
_誉大さんは「とかく大規模経営へと目が向けられがちですが、小さな農家でもちゃんと稼いでやっていけるということが、これからの農業を支えていくことになると思うので、まずは一人前の技術を身に付けて安定した出荷を保てるよう努めたいです」と意気込む。

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写真説明=「嫁さんのおかげで就農に踏み切れました」と誉大さんと迪子さん

 

 

 

 

 

 

〈人生楽しく〉 自主制作テレビ番組 地元の魅力を伝えたい

近田 大介さん   プロフィル◇40歳◇ハウスイチゴ26㌃、水稲50㌃◇那賀町

――テレビ番組を制作しているんですね。
_「かきまぜTV」という名前で自主制作しているテレビ番組です。2年前から地元ケーブルテレビで放映してもらっています。30分の番組ですが、企画から取材、編集まですべて商工会青年部と町内の若手有志で制作しています。

――見どころは?
_地元で働く人を紹介する「仕事人(しごとびと)」という企画が人気です。日常の仕事ぶりや本人へのインタビューを通して、視聴者に自分たちの地元である那賀町の魅力を改めて感じてもらおうというのが狙い。仕事人自身の個性や地元への思いを引き出しているので見応えはあると思っています。

――楽しみは?
_人との出会いです。僕自身会話することが好きなので、番組ではインタビュアーをしているのですが、取材先でおもしろい話が聞けたり、新しい発見があるとうれしいですね。
いろんな人と話をすることによって、自分が今どんな考えを持っているのか再確認できたりもします。なかでも、拝宮(はいぎゅう)和紙の職人さんへの取材が一番思い出深くて、職人になろうと思ったきっかけや地元への思いにめちゃくちゃ共感できて感動したことがあります。

――今後については?
_月に1本とはいえ、テレビ番組を作るのはとても大変です。本業の合間に取材に行ったり、夜中まで打ち合わせをしたり。特に編集にはいつも悩まされますが、もともと芸術やデザインには興味があったので楽しんでやっています。
_編集の少ないラジオ番組をいつか始めてみようかとあれこれ頭の中で模索中です。

写真上=「人との出会いが楽しみです」と近田さん
写真下=「かきまぜTV」。中央が近田さん

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