農家・ソムリエ・酒造会社がスクラム ワインに活路 徳島県吉野川市「学観光ぶどう組合」

農家・ソムリエ・酒造会社がスクラム ワインに活路 徳島県吉野川市「学観光ぶどう組合」

_徳島県産ブドウを100%使用した初のワイン「Le fleuve」(ル・フルーヴ)が2016年に誕生。ブドウ栽培農家とソムリエ、酒造会社が一体となって、より良いワイン造りを目指している。

_ワイン用ブドウを出荷しているのは吉野川市川島町学(がく)の「学観光ぶどう組合」だ。組合長を務める加藤利行さんはブドウ栽培を始めて18年。「昨年は天候が良かったので品質は上々だった。学の甘いブドウを使って、おいしいフルーティーなワインが造れたのではないか」と話す。

●ブドウ狩りから撤退
_組合では、以前はブドウ狩りを行って家族連れでにぎわっていたが、農家の高齢化や後継者不足で、16年からはブドウ狩りを中止した。
そんな中、県内で飲食店を経営する日本ソムリエ協会公認ソムリエの徳長真二さんが、「徳島県産ブドウを使ってワインを造りたい」と思い立ち、学のブドウを使いたいという話が加藤さんに持ちかけられた。
ワイン用ブドウの国産品種は2種類あり、そのうちの一つ「マスカットベリーA」を主に栽培していた加藤さんのほか、組合加盟の農家5軒がワイン用に一部を出荷することになった。

●料理に合わせやすい
_ブドウ栽培について加藤さんは「年間10回ほどの消毒と、12月ごろには剪定、花が満開になる1週間前に行う授粉作業など手間がかかる。一番大変なのは摘粒作業です」と話す。
9月に収穫したブドウは上板町にある日新酒類株式会社へ出荷し、1カ月ほどでワインになる。昨年はブドウ1800㌔㌘を出荷、発酵を6回に分けて仕込み、1216本が製造された。持ち込まれたブドウの加工は、実をつぶしたり、足で踏んだり、ほぼ手作業の工程。機械で造るものと違い本来の味や香りが出るという。
_日新酒類株式会社の前田康人社長は「ワインは造るのも売るのも難しい。料理の合わせ方も難しいが、マスカットベリーAタイプのブドウワインは合わせやすい方だ。より良いワインを造り、長く飲んでもらうためにも改良の余地がまだある。ワイン造りには、ブドウの品質管理が一番大切。ブドウ栽培農家の方と一体となっていいものを造っていきたい」と話す。
_加藤さんは「ブドウ狩りを行わなくなった中、学のブドウを使ってワインを造るという新たな道筋ができ、ブドウの販路拡大にも期待したい」と話している。
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写真説明1=学観光ぶどう組合の組合員と加藤さん(前列右)、ソムリエの徳長さん(前列中央)、日新酒類株式会社の前田社長(後列右から4人目)
写真説明2=「畑の一角でワイン専用品種を植えている。5年後には収穫できるのでは」と話す加藤さん
写真説明3=「Le fleuve」。フランス語で「川」を意味する。ラベルは吉野川の風景