㈲柚冬庵代表 榊野瑞恵さん 徳島県那賀町

㈲柚冬庵代表 榊野瑞恵さん 徳島県那賀町

特産「木頭ゆず」の加工品
リニューアルし売り上げ増
地域の交流拠点も開設

「女性の感性を生かして、地域を活性化したい」と話す榊野瑞恵(さかきのみずえ)さん(56)は、那賀町の有限会社柚冬庵(ゆとうあん)の代表を務める。特産「木頭ゆず」の加工品の製造販売を手掛ける一方で、地元住民の交流拠点施設として、カフェ「くるく」を開設。女性ならではの発想と経営発展が評価され、「平成27年度農山漁村女性・シニア活動表彰」で最優秀賞の農林水産大臣賞を受賞した。

那賀町西部の木頭地区は、確かな品質で評価の高い木頭ゆずの産地として知られている。山林が98%を占め、降水量が多く寒暖の差も大きいことから、香りと酸味のバランスの良い風味豊かなユズが生産され、全国有数のシェアを誇る。
柚冬庵は1982年、ユズの加工製品化のために立ち上げ、90年に法人化。母親が安心してわが子に食べさせられるように、地元の女性社員9人で丁寧な手作りを貫いている。
榊野さんが代表に就任した2006年ごろは、「農業がメインで、農業の合間に現金収入を得る場という位置付け。継承時の売上高は400万円を切っていた」と当時を振り返る。
「売るための努力はしていなかった。まず売り上げを伸ばそう」と一念発起。デザイナーと共同で木頭ゆずの良さや手作りのぬくもりが伝わるパッケージに一新した。同時に各加工品のレシピも見直して材料から化学調味料を排除し、商品ラインナップも拡充した。
食品の見本市やバイヤーが集まる展示会にも自ら積極的に参加。「女性・田舎・零細企業などハンディと捉えていたことを、個性と感じられるようになっていきました。田舎のおばちゃんだから、小さい会社だからとみんなが助けてくれた。商売って結局、人のつながりだと思いました」としみじみと話す。結果、5年かけて売上額が2千万円近くにまで伸びた。

◎高齢者へ弁当宅配
次に取り組んだのが、地元住民の交流拠点施設「くるく」の開設。空き家になっていた木造の古民家を借り、県の補助金も使って改装し13年にオープンした。「くるく」とは、多くの人が「来る家」との願いを込めて名付けた。高齢者対策として弁当の宅配サービスを実施。毎週金曜日には、地元木頭ならではの食材を使った家庭料理を提供しており、地域内外の人たちとの交流の場になっている。
「今後は、土・日も『くるく』を開けて、木頭ゆずを使った料理をもっと県内外の人に提供できれば。災害時の一時避難場所としても利用してもらいたい」と榊野さん。木頭ゆずのブランド力を高め、地域の人の生きがいになるような商品作りを提案していきたいと意気込んでいる。
▽ホームページアドレス=http://yutouan.com/
▽Eメール=yutouan@gmail.com

写真説明①=「人気商品です」と「ゆずゼリー」と「なごみ柚子」を手に榊野さん
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写真説明②=ユズ酢を詰める作業をする女性従業員
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写真説明③=つくだ煮、ジャム、ポン酢などのユズ製品
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(2017年3月1週号 四国版)